三日目 壊
「前線を下げるな! 死ぬ気で防衛しろ!!! ⸺そっちはどうだヘタレ!」
「煩いわね、やってるわよ! 口を動かす暇があったら手数入れなさいよ!」
「⸺テメェら言い合ってる場合か!」
………どうシて、彼らは。
『廃棄を。廃棄を。廃棄を』
『処分、処分、処分』
『壊れた機械は……不必要』
………壊れタ機械を。敵デあるボクを、守っていルのだろう。
*
「⸺もう、大丈夫かしら? 動ける?」
「よく見ると可愛いじゃねぇか。なぁなぁ隊長、コイツ連れ帰らねぇ?」
「あんなぁ一磨、俺らみたいなお人好しばっかいたら、今頃拠点には機械で溢れてるだろうが」
「あぁ〜、確かに」
人間は三名。技術女と脳筋男、二名の上司であると推察する銃剣男。マザーネットワークに接続……⸺技術女はミハエル・ハーヴェイ。反乱軍Y小隊所属、旧世界で特許を持っていたそうだ。脳筋男は志木 一磨。反乱軍Y小隊所属、旧世界ではただ一般人か。銃剣男はヴェン・リー。反乱軍Y小隊隊長、旧世界では……駄目だ。コイツの情報を見る前に、マザーネットワークから接続を解除された。
⸺もう二度、見ることは出来ない。
『人間に礼を言いたくは無いけど、礼儀だから。ありがとう』
「おぉ!? 喋れんのかお前!」
「さっきのも喋っていたでしょうが。……何処にも問題なさそうね。飛行も……出来ているみたいだし」
「⸺終わったなら戻るぞ。また解錠時間に間に合わず、一日外で過ごした後に、小一時間ほど上官殿にお小言をもらいたくは無いだろう?」
ヴェン・リーの言葉を聞いて、二人はバタバタと広げていた荷物を片付けはじめる。………こういう所が、嫌いだ。
「お前は好きにしろ。まぁ……戻れるかは知らんが」
『煩い人間。ボクは勝手にするさ………一つだけ、教えてやる』
「ほう? なんだ、一体」
『ボクら機械には、”魂”が組み込まれている。ボクがその事を思い出した途端、攻撃されたんだ。コレ、マザーにとって非常に重要な情報なんだろうね』
「………なるほどな。非常に有益な情報をありがとうな……クソガキ」
ヴェン・リーが、何かを知ったような顔をして笑う。見覚えがある様な気もするが、まぁいい。ボクがいつまで生きられるかは知らないが、折角もらった第二の生。生きられるとこまで生きてやる。




