五日目 忙しい日
「……ニク、売リニキタ。親父、居ナイノカ?」
「えと…リュウドウのジイさんなら、商品の補充に行くって言って数日帰ってないが」
「オマエ、店員カ?」
「そうだけど……」
「ナラ、ソコノ板ヲ使エ。親父ガソウシテタ」
「あー、なるほど……金じゃなくて、魔石? あ、レジスターの中にあるわ。コレでいいのか?」
「アァ、ソレダ。親父ニヨロシク言ッテオイテクレ」
「ありがとうございましたー」
*
「兄さん、月の石ってあるかい? 無いなら外に浮いてるヤツを持ってくが」
「浮いてる……? 外にあるなら外で取れと言いたいが、こっちも店員なんでな。月の石ならそこのスペースエリアに何個か売ってる。目利きは自分でやるんだな」
「随分正直にやってる店員の兄さんだなぁ……お、あったあった。幾らだい?」
「あー……三文」
「安いなっ!? まぁ安く手に入るに越したことはねぇんだが。じゃあな〜」
*
「Hey! Boy」
「……なんすか」
「Do they sell ID cards here?」
「あー……えっと。あ、通訳機があったっけ…コレだコレ。『please wait a moment』」
「OK!」
「………この店、身分証もあるのかよ。コレでいいか?」
「YES,YES!」
「えっと……『The price is one diamond』」
「It's cheap! That's about it……bye!」
「……外人の相手は疲れる」
*
「ピー、ガガッ。『ここにウェヌカ油は有りますか?』」
「今度は機械か。しかも顔のディスプレイに字が出るのか……このタンクのであってるか?」
「ジー……『解析完了。それです』」
「お代は、余ったネジ三本だってよ………余ってていいのか? それ」
「『どうぞ。それでは失礼します』……ガガッ」
*
「どうじゃ小僧、閑古鳥が鳴いていたか?」
「寧ろ、今日一日で数ヶ月分の接客をしたんだが……」
「ワッハッハ! そりゃあご苦労じゃったな。褒美に雷電蜂の蜜をやろう。ワシでも滅多に手に入れられん貴重品だぞ?」
「まぁ貰えるなら、貰っとく」




