四日目 深夜の大人たち
ミオが働かない、深夜の万点堂。店主の老いた男がパソコンを使って何やら作業をしている。
「邪魔するぞ、リュウドウ」
「⸺ん、おー……ツェンか。何じゃ、ってそうか。そろそろそんな時期か。ちょいと待っとれ」
黒装束の男が来店し、リュウドウは慣れた様子で品を取り出す。
「あぁ。やはり、ヒュルト星人の骨粉が研磨剤に丁度良くてな」
「そうかい……おぉ、あったあった。今日の価格は〜お幾らかの〜」
リュウドウは骨粉が詰められた瓶をタブレットに翳す。
「いつ見ても、その光る板に翳すだけで代金が分かるとは……この地には過ぎた技術だな」
「……まぁのう。ほれ、今日は七万リペルじゃ。はよう出さんかい」
「分かっている……コレで丁度か?」
「よし、コレで取引成立じゃ」
ツェンはリュウドウから瓶を受け取ると店を出ようとするが、そういえばと言わんばかりに振り返った。
「時にリュウドウ。子供を雇ったと風の噂で聞いたが、真か?」
「あぁ、そうじゃよ。ツェンもたまに仕入れを手伝ってくれるからな……これから会うこともあるじゃろ」
「オレの容姿をみて、怖がらないか?」
「大丈夫じゃと思うぞ? 何せ、この地で拾ったからな」
「⸺何だと? まさか、まだあるとでも?」
「さてな。本人の認識じゃと、此処は魔法一つ無い人間だけの世界で生活しているみたいじゃが……ワシも興味が湧いてな」
「リュウドウがただの子供を雇うはずがないとは思っていたが……ただの狂人にしろ、何かしらを持った特殊にしろ、幸運は持ち合わせていそうだな」
「そうじゃな…」
店の外では、割れた月が今日も大地を見下ろしている。




