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余裕

強奪……というかスキルの使い方が分かってからは、本当にここが387階層かと思うぐらいに簡単になった。




強奪の使い方が分かってきた。奪う箇所を思考すれば、その部分を奪える。つまり俺がモンスターからこれまで奪ったのは、「命」ってことだ。




だったらスキルも奪えるかもしれない。でもスキルの場合、そのスキルの名前とかも知らないと奪えなさそうだ。




意思と思考はセットだ。思考したことを意思にすることでスキルに反映される。




いちいち、思考、意思なんて言ってたらめんどくさいので、「意思と思考」をまとめて思考と呼ぶことにした。もっと思考をもっと試したいけど俺にはそれを試せるスキルが全然ない。




まだ階層の階段は見つかっていないけど、大体のこの階の構造は分かった。あと行っていない場所は一つだけだ。




今のところ、イノシシを3体、コウモリを2体、蜘蛛みたいなやつを1体殺した。強奪の射程は、10メートルぐらいだ。10メートルもあれば、苦戦することもない。




あと、気配遮断みたいに、思考をすれば、いちいち「強奪」と唱える必要もなく使えるはずなんだけど、今のところできない。相手に干渉するスキルは、思考で使うことができないんだろうな。




でも唱えて使うのはなんか安定感があって良い。あと魔術を使った感があって良い。




鉱石を片手に持ちながら、進んでいく。まだ行っていないのは、あのボロい建物の中だ。




階段を見つけた。目の前にあった。もっと探すのかと思った。




なんだこれ




隣に宝箱みたいなやつが置いてある。




「宝箱がいきなり噛みついてくるやつか?」




中身を見たい。モンスターかもしれない。ということで俺は命を奪うイメージで強奪を使っておいた。




中身を開けた。




まじか!




食料が入っていた。サンドイッチみたいなやつがたくさん入っている。しかも腐っていない。俺は疑いもせず口にサンドイッチを詰め込んでいった。




「うまい!うますぎる……………」




感激のあまり涙が出そうになった。俺はこの階層に来てから腹が減ってしょうがなかった。もしお腹が空いていなければイノシシからもっと長く逃げられていたと思う。




俺は10個目を取った。




あれ?おかしいな。最初に見た時は10個ぐらいしかなかったのに。増えてないか?




俺は宝箱の底に手を伸ばした。




あれえ?底に手がつかない。




!




何かを頭で理解した俺は、とっさに宝箱の中のサンドイッチを全部床に放り投げた。




「これは…………………………」




まるで次元の狭間の中みたいだ。この宝箱の中は次元の狭間のようになっていたらしい。道理でサンドイッチが取っても取ってもなくならないわけだ。宝箱の中には、ありえない量のサンドイッチが静止していた。




ダンジョンのクリア報酬だと思っておこう。とにかく嬉しかった。




階段を下っていく。




転移装置を見つけた。




……………ここで戻ってもいいけど、俺は戻りたくない。




俺はダンジョンの敵を10体ぐらい倒しただけでこのレベルまで来れた。




だったら今頃、クラスメイトたちは俺がモンスターから逃げていた間に俺よりレベルアップしているだろう。




俺はあいつらを殺したい。




そのためには、力が必要なんだ。




レベル、それが必要だ、もっと高いレベルが。




だったらここでダンジョンから出るべきではない。




俺は次の階層へと階段を降りていった。





※





「ステータスオープン」




この階層は1038階層か。外は今何時なんだろう。いったい何日経ったんだろう。持っていたデジタル時計はモンスターに壊されてしまった。




1038階層までよく来れたな俺。




俺はとんでもない飽き性だ。何でもすぐ飽きてしまう。前、スマホに入れていたゲームはほぼ全て、始めて5日以内には消していた。




ここまで来れたのは、ダンジョンが思っていたよりも楽しかったからだろう。つまり俺はダンジョンをクリアすることにハマっていたのだ。ゲームだったらコントローラーでボタンを押すだけだ。




でもこの世界だと自分で戦う。男なら誰もが小さい頃に戦いごっこなんてものをしていただろう。俺は今それを実現している。階層ごとに違うモンスターが出るし、食料は尽きない。




早く次の階層に進まなきゃければと寝ることをやめて、進んでいった。




そして今俺は飽きてきた。でもきりが悪い。もう少し進んだらダンジョンから出よう。




ちなみに今の俺のステータスは……………




【ミウラ ヒロキ】


 LV314729


 HP:100987


 魔力:107653


 攻撃:130947


 防御:123749


 体力:114594


 速さ:210293


成長力:685743




もう10万を超えているみたいだ。速さが他よりも高いのは、暗殺者だからだろう。でも、成長力は一体何だ?文字通り成長しやすくなるってことだろう。俺がここまでレベルが上がったのは成長力があったからだ。そうに決まってる。




よし




ボスと戦うか。




1000階層を超えてからボスラッシュのようになった。ボスしか来ないんだ。そんでもって、ボスを全員倒さないと次の階層への階段にあるバリアみたいなのがなくならない。




このバリアは強奪でも何もできないし、思いっきり殴ってもびくともしなかった。だいたいバリアから強奪で何を奪えばいいのかイメージがない。




来た。




一体目は、巨人か。剣と盾を持った剣士のパターンか。ここまで来る間に数え切れないほど倒してきたが、杖を持って魔術を使ってくるやつとか、何も持たずに素手で殴ってくるやつもいた。




巨人が思いっきり剣を振り下ろしてきた。




一旦避けてから、強奪を使う。




「強奪(ロバリー)」




巨人の心臓を奪った。心臓というか動力源の宝石みたいなやつだ。それを奪ってしまえば死んだも同然だ。




はい次。




今度はアンデッド系か。こいつはネクロマンサーだな。




アンデッド系は面倒くさい。心臓はあるけど機能してないから奪っても死なない。だからやり方があってるか分からないけど俺はひたすら剣で切りまくる。もとの原型がわからないぐらいまで切り刻んだ時、死んだ判定になる。




飛んでくる魔術を避け、近づいて剣を当てる。一番最初に首を切る。そして胴体をきりまくる。




最後に頭に剣をぶっ刺したら終わりだ。




あと1体だ。1038階層だって言うのに全然敵が強くない。面白くないんだ。だからこの階層で終わりにする。




ん




慌てて頭を下げる。




さっき頭があった場所をとんでもない大きさのナイフが通った。




危ねえ。どんだけステータスが上がっても死ぬか分からない攻撃は、避けるしかない。




一体どこから攻撃しているんだ?俺の知らないやつだ。気配感知が効かないやつだ。気配遮断でも持ってんのか?いやでも姿も見えてない。どこにいるかも分からないから強奪も使えない。




こっちに来るナイフを掴めさえすれば、場所は多分分かる。でも俺はさっきは、たまたま第六感のようなものが働いたから避けれた。




……………来た




上から来る。俺は横に避けて、ナイフを掴んだ。




ナイフが引っ張られる方向は……………




左か。思いっきり左の方目掛けて蹴りを入れた。




当たった。蹴りが当たった場所に手を伸ばして掴んだ。こいつの姿が見えなくなる能力が欲しい。だったらスキルを全部奪えばいいのか。




「強奪(ロバリー)」




スキル《不可視》を入手しました。




スキル《加速》を入手しました。




2つしか持ってないのか。こいつは、スキルがなくなったので姿が見えるようになった。人形のモンスターだ。とりあえず心臓を奪って殺した。




パキンッ




バリアがなくなった音がしたので、階段へ向かった。



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