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12/16

罠

ダンジョンに来た。ダンジョンには、階層があって、階層が上がるほど段々、地下に下がっていく。1階層から順番に進んでいく必要があり、ダンジョンの中では、次の階層に降りる階段に転移装置がある。

そこで、ダンジョンから帰ることができ、また次にダンジョンに来たときは、前回転移装置を使った階層から始まる。ゲームでいうセーブポイントみたいなものだ。



俺達は、まず1階層に来た。



現在の時刻は、朝の7時28分だ。



「まず、1階層ね。まあ準備運動として、一人一体以上は倒してね。」



リウム先生が説明をしている。当たり前のことだが、階層が下がるごとにモンスターは強くなっていく。それ以外にも何か説明していたが、聞いてなかった。

少し後悔したことがある。リウム先生が、みんなに剣を配っていたのだ。金の無駄遣いをしてしまった。しかたないから、リウム先生にもらった剣を使った。

早速モンスターが来た。思いっきり剣を振り下ろす。

グサッ 

ズバッ

グチュッ

剣でモンスターの体をひたすら切る。死んだらステータスの通知が来るから分かる。

鈍い音とともに地面にモンスターが倒れていく。あまりいい気持ちはしないけど、悪い気もしない。

俺は、いちおう剣騎士ということで、剣騎士の職業のクラスメイトの近くで一緒に戦っていた。剣騎士の一人に、井上がいる。こいつは頭が悪いが、運動神経がとてもいい。

でもこの剣は重いみたいで、この剣を持つだけで精一杯みたいな感じだ。剣を使っているというよりは、どちらかというと、剣をただ上からモンスターに打ち付けているだけのように見える。

この剣はぜんぜん重くない。ステータスのおかげで筋力が上がっているのだろう。井上のレベルは、34LVだ。俺とは100レベル以上、差がある。このダンジョンでみんなもきっと100レベルを超えるだろう。

俺はなるべく目立たないように、気配遮断を使いながら、モンスターを斬り殺す。

2階層に来た。少し、モンスターが強くなった気がする。この階層は、地上に生息するようなモンスターしかいない。

もっと下に行けば、まだ戦ったことのないモンスターにあえるだろう。

※

12階層まで来た。かなりモンスターが強くなった。クラスメイトの中には、負傷者がではじめている。といっても、軽傷だが。ここらへんは、アンデッド系のモンスターが多い。少し再生能力があるやつがいて、めんどくさい。

相変わらず、和田は、余裕そうだ。魔術を一回唱えれば、3体ぐらいは、一気に倒せている。それに他のクラスメイトも助けている。

リウム先生は、そばで皆を見ている。12階層では、まだ自分が手伝うまでもないのだろう、とでも思っているんだろうな。俺達は喋ることなく、ただひたすらに、モンスターを殺していった。

※

33階層に来た。ここまで来るのにはかなり苦労した。20階層以降では、モンスターだけでなく、トラップもあり、危機一髪だった生徒も多数いた。まあリウム先生が助けてくれたけど。

もうみんなには余裕がないようだ。和田も自分が戦っている敵で精一杯みたいだ。俺は、まだ余裕がある。しかも33階層に来るまでにレベルが上がり、今は248LVだ。俺はなぜか、レベルが上がれば上がるほど、レベルも上がりやすくなる。ステータスの成長性の作用だろう。

あたりのモンスターをだいたい殺したため、またモンスターが来る前に俺達は急いで次の階層への階段へ向かう。

あれ?

走っていたらいつの間にか景色が変わっていた。

え?

俺はとっさにステータスを見た。ステータスには現在地が書いてある。何階層かも。

ダンジョン 387階層

……………………………ん?

387階層?見間違いか?

何がなんだかよくわからなくて、その場で棒立ちしていた。

やばいやばいやばいやばい。

モンスターが来たら絶対死ぬ。どうしようどうしようどうしよう……………

周りを見渡しても何もない。本当にダンジョンなのか?もっと建造物とかあるはずだ。でも何もないし、ただの大きい洞窟みたいになっている。

これじゃあ、次の階層への階段がどこにあるかもわからない。

とりあえず動かないと……………

ピキッ

パキッ

足元になにかある。

鏡みたいだ。でも俺の顔は映ってない。

あ

その鏡には、クラスメイトが映っていた。しかも話し声も聞こえる。



思い出した。



この鏡は、ダンジョンの転移トラップの一つだ。鏡に触れると転移してしまう。基本的には、誰でも気づくし、触れるやつはいないはずだ。

でも俺はあまりにも急いだせいで、足元に注意をするのを忘れていた。この鏡は、もう一回触れても元の場所には戻れない。だからトラップなんだ。



鏡の中から何か話し声が聞こえるぞ。



鏡の音に耳を傾けた。



「どうするの?ねえどうするの?三浦くんが鏡に取り込まれちゃったよ。消えちゃったよ。なんで消えたの?」佐藤の声だ。

「…………………………俺にも分からない。この鏡に、三浦が映ってることしか。」

和田が喋ってるみたいだ。

まてよ、あっちの声が聞こえるってことは、俺の声も聞こえるんじゃないか?

俺は試しに



「リウム先生ー」



と叫んでみた。

……………反応がない。聞こえてないみたいだ。嘘だろ。どうすればいいんだ。

「この鏡はな、転移鏡と言ってな、鏡に触れたものを鏡が映している場所に転移させるんだ。今三浦くんはどこにいるか分からないが、転移してしまったみたいだ。」

リウム先生は知っていたんだ。よかった。

「先生、三浦くんはもうこっちに戻ってこれませんか?」また和田だ。

「ああ。もうこっちに戻ってくる方法はない。どこに転移したか分からない以上、なんも手立てがない。」

「そうですか。でも俺達が全員でこの鏡に触れれば、三浦くんのところにはいけるんですよね?」

「もちろん行けるが、それはさせない。君たちには、魔王を倒してもらわなきゃいけない。どこに転移するかわからないのに、その先には行かせられない。三浦くんは諦めろ。別に君たち全員が必要なわけじゃないんだ。一人減ったぐらいならまだましだ。」

え?リウム先生?リウム先生は生徒を見捨てたりはしない。何いってんだよ。

「わかりました。みんな、三浦くんは、きっと生きてる。転移先はランダムだ。転移先が必ずしも、死ぬような場所ではないことだってあるんだ」

和田まで、俺を見捨てるのかよ……………

「まあいっか。俺、別に三浦と仲良かったわけじゃないし」

「俺も三浦と話したこともないわ」

「別にいなくなるデメリットなんてないし、職業も剣騎士だし、大して強くなかったしね。別にいいよね」

みんな何言ってるんだよ。何笑ってるんだよ。何がおかしいんだよ。この世界に来てからみんなは、俺に優しくしてくれたし、俺を受け入れてくれたのに、なんで裏切るんだよ。

どうしてだよ…………………………

やっぱり、こいつらは異世界に来てからも何も変わってなかったんだ。所詮クズどもだったんだ。ふざけんな。こんな奴らに騙されてた俺が恥ずかしくてしょうがない。

うざいうざいうざいうざい。



なんで何もしてない俺がこんな目にあわなきゃいけないんだよ。俺なんかよりずっとカスなのはあいつらなのに、結局こういう目にあうのはいつも何も悪いことをしていない奴らばっかだ。


あんな奴らは生きてちゃダメだ。俺の第二の世界を汚す存在にしかならない。生きていてもカスなら死んでも変わらないだろう。もしここから生きて出られたら、あいつらを殺そう。といってもすぐに殺す必要はない。あいつらを殺すことは優先順位として1番じゃない。俺はこの世界でもっとやりたいことがある。


どうやってここを出れば良いんだろうか..........................


そんなことをしばらく考えていた。

最近、忙しく投稿頻度が下がるかもしれません。ご理解の程よろしくお願いします。

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