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散策

鍛冶屋の中は、武器が隙間なく壁に並んでいた。鍛冶屋は、直接武器を作って売っているから、生半可なものは売っていないだろう。




「こんにちはー」とりあえず挨拶をしてみた。




カウンターには、店主がいないみたいだ。気配感知を使おうかと思ったが、敵に狙われているわけでもないので、やめておいた。




それに、気配感知は使っていると少し疲れる。使っていないときよりも、入ってくる情報が多いからだろう。




俺はスキルをまだ5つしか持ってないからわからないけど、他にもきっと使っていると疲れるスキルはあるだろう。




俺は周りにある武器を見る。




剣・大剣・槍・ダガー・斧・レイピア……………




とにかくたくさんある。買うとしたら剣とか使いやすくて持ちやすいやつだな。運ぶのに関しては、次元の狭間に入れておけばいい。




ステータスのおかげで、少しは力も上がってきているけど、大剣は性に合わない。斧もだ。




槍も使いにくそうだ。ダガーは、リーチは短いけど、持ちやすいだろう。レイピアは、あんまり、ダメージが高くなさそうだ。




今のところは、剣かダガーだな。両方買っちゃうのもありだ。今の俺の全財産は、600ゴールドだ。あと銀貨と銅貨がちょっとある。




剣の置いてある場所とダガーが置いてある場所をゆっくり見る。剣はだいたい60ゴールドから100ゴールドぐらいのものまである。ダガーは、剣より安く、30ゴールドから60ゴールドぐらいのものがある。




どっちも買おう。最初は、一番安いのでいいだろう。一番安い、普通のデザインの剣とダガーを持ってカウンターに置いた。店主は、店の奥にいるのだろうか。




「すみませーん、誰かいますかー?」




「はい、今行きまーす。」




店の奥から、屈強な肉体の身長が高い男の人が出てきた。




「この剣とダガーを買うのですね。かしこまりました。」


「それにしても、中々いい目をしてますね。」




「目?」俺はとっさに聞き返してしまった。




「この剣とダガーは、確かに安いですが、とても頑丈で切れ味がすごいですよ。なんせ伝説の鍛冶職人フェルマが作ったものですから。うちで買ってくれてありがとうございます。」




伝説の鍛冶職人フェルマ!こないだ読んだ本に出てきた人だ。100年前の本だから、今のことは分からないけど、たしか、寿命が長いドワーフだった気がする。




まだ生きてても驚くことじゃないな。俺は鍛冶屋から出ると、剣とダガーを次元の狭間にしまった。




だいぶ次元の狭間の扱いには慣れてきた。




例えば、ポケットの中に次元の狭間を小さくだして手を突っ込んだときに金貨を取る。器用に扱えるようになると、ものすごく便利だ。




俺は露天商を見に行った。露天商では色んなものが売っている。食べ物から本などの雑貨など。骨董品も。たまにレア物をあったりする。




俺はマンゴーみたいな見た目の果物を2つ買った。




マンゴーみたいなやつを食べながら帰る。




「ウマイなあ」




思わず口に出てしまった。




噛んだ瞬間口の中に甘酸っぱい味が広がる。




その後も市場を見たり、露天商で新しい本を買ったりした。特にこれと言った収穫はなかった。




俺は町並みを見ながら宿に戻った。今は7時だ。そろそろクラスメイトが起きるだろう。




宿の扉を開けると、リウム先生が受付の近くの椅子に座ってお茶を飲みながら、新聞のようなものを見ていた。




「三浦くん、外で何をしていたのかな?」




怒ってるというよりは、心配をしてるみたいだ。リウム先生は本当に優しい。




「ちょっと、散歩のついでに街を見てきました。せっかくこんな遠くに来たんだからと思って、外に出ていました。ご心配おかけしてすいませんでした。」




こんなふうに謝っておけばリウム先生はもう何も言ってこない。




「分かったよ。でもね、誘拐とかされたら困るんだよ。君は、職業も普通の剣騎士でしょ?確かにそこら辺のモンスターには負けないけど、人はモンスターとは違う。同じレベルで考えちゃだめだよ。これからは、先生に言ってから外に行ってね。」




ちょっと面倒くさくなった。まあこれぐらいならまだいい。俺は先生にもう一度謝ってから、部屋に戻った。すぐ朝食になるので、布団で、本を読む。




俺の部屋は、俺、和田、阿部、川井、中村、西本だ。和田は、陰キャでも陽キャでもないような中間のやつだ。阿部は陰キャだ。それ以外の奴らは陽キャで全員うるさい。




よりによって、陽キャが4人もいる班になってしまった。俺はひたすら目立たないように絡まれないように、布団で本を読んでいる。しまいには、気配遮断を使っている。




※




俺は朝食を食べ終わり、部屋に戻ろうとしていた。




「はいこっちにちゅうもーく。今日の午後からダンジョンに潜るので、各自12時には、宿にいるようにしてください。」




リウム先生が喋っている。


12時か。あと4時間ある。




寝不足だし、仮眠をとるか。




俺はベッドで横になり、寝た。



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