到着
「やっと着いたーー!」
クラスの女子たちが言った。
ダンジョンの近くの街に着いた。クラスのみんなは、流石に疲れていたらしい。道端で、座り込んでるやつもいる。
ダンジョンの場所が遠く、着くのに三週間かかってしまった。
俺は、ずっと気になっていた場所についてリウム先生に聞いた。
まずヴァン王国の場所は、大陸の中心部だ。正確には中心部から少し西だ。
そしてダンジョンは、大陸の東の端っこ。東にまっすぐ行けば着くということだった。
この世界は、新幹線も飛行機も車もないから着くのに時間がかかるのはしかたがない。
ゆっくり馬車で行くのも意外と悪くなかったけどな。俺はもともと旅をすることに憧れていた。
異世界で旅をできるなんて思ってもいなかった。ダンジョンまでの道のりはかなり楽しかった。
リウム先生も疲れているようだ。さっきからすごく眠そうだ。ここまで一人で35人の面倒を見ていたら疲れるに決まっている。
ここは、誰かが仕切ってあげなきゃいけないってのに……………
誰も仕切らないのかよ。唯一仕切れそうな前の世界で学級委員だった、和田と佐藤に話しかけた。
「和田、佐藤、宿までみんなを移動させなきゃいけないからさ、リウム先生を手伝ったら?」
「なんで俺達なんだよ、やりたいならお前がやればいいだろ。俺はそんなめんどくさいことやらないぞ。じゃ、俺寝るから。」
「私も疲れてるからやらないわよ。やりたいならあなたがやったらいいじゃない。私も寝るわ」
こいつら、ほんとに学級委員かよ。この腐れ脳みそ共が。やっぱ自分のことしか考えてねえじゃんかよ。
俺だって仕切りたいけど、こんな陰キャじゃ無理だ。立場的に無理だ。ただステータスの影響であまり疲れてないだけだ。
だいたい勇者っていう立場じゃなければ、俺はさっさとクラスメイトの前から消えてた。
こんな大人数で道端にいたら迷惑だ。さっきから、チラチラこっちを見てくる人たちが増えた。もう日も落ちかけている。
しかたないな。リウム先生から宿の名前だけでも聞いておこう。
「リウムさん、今日泊まる宿の名前教えてくれませんか?みんなも、リウムさんも疲れているみたいだし、俺はあまり疲れてないので手伝いますよ。」
目がほとんど開いていない。
「あーえーと………三浦くんだね。本当に悪いけど、お願いするよ。宿の名前は………森の光…だよ。できれば………チェックインしておいてくれると助かる。」
反応が鈍い。相当眠いんだな。
最後まで言い切って、寝てしまった。とりあえずチェックインしに行ってくるか。お金はリウム先生のバッグの中に入っていた。
※
今は、夜中の1時だ。俺は、夕食を食べている。チェックインしに行ったあと、なんとかリウム先生と和田、そして佐藤を起こし、みんなを宿に強制連行した。
宿の大浴場に、放り込むと目が覚めたみたいで、夕食のときには、誰も眠そうなやつはいなかった。俺はリウム先生と、チェックインの手続きをやっていた。
俺が一人で行ったときは、信用してもらえず、リウム先生の名前を言うと、少し信じてくれたので、とりあえずの手続きは済んだ。続きはリウム先生を呼んでこいと言われた。
その後、風呂に入って1時だ。まだ疲れを感じない。このステータスには感謝しかない。
宿は、かなり広く、集団専用のようだった。一部屋6人で、女子と男子の部屋含めて6部屋だ。リウム先生は男子の部屋で一緒に寝ている。
午前2時
やっと就寝だ。
※
朝だ。まだ6時か。この世界に来てからは、早起きすることが多い。それほど疲れてなければ、何もしてなくても6時には起きてしまう。
今日みたいな寝るのが遅かった日はもう少し寝ていたいのに、一度起きると、目が覚めてしまう。
んーー
軽く伸びをする。早く起きてしまったらしかたがない。街を散歩しに行くとするか。旅でやってみたかったことの一つ。
朝早く、街を見に行くことだ。
宿から出て通りに出ると、すでに人がたくさんいた。露天商や店の人たちは準備に忙しいようだ。何か買おうかな。ここにくるまでに少しずつギルドで稼いだ金がある。
どこにいっても、ギルドはあるので、いくつかの街でこっそり簡単な依頼を受けていた。
そこで一つの看板が目に入った。
鍛冶屋か。そういえば、まだ武器持ってなかったな。リウム先生がまだ必要ないって言うから。これまでの依頼は、だいたいそこら辺の木の枝を使ったり、あまり戦うことが少なかったからよかったけど。
ダンジョンに行くんだから、いちよ武器は持っておきたい。
俺は鍛冶屋に入っていった。




