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カストラート 〜傾国の歌劇(オペラ)〜  作者: nhhtn
学院編

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強力な追い風


「陛下、ご覧になって?この子たちの傷つき痛々しくも、なんて健気な姿を……。王都の民がこぞって熱狂するのも無理はありませんわ。これほど清らかな天使たちをまるで罪人のように扱うなんて……。私、悲しくて胸が張り裂けそうですわ!」


華やかな芸術や、型破りで目新しい演出、そして何より美少年たちが大好きな王妃殿下が、猛烈な勢いで僕たちを擁護し始めてくれた。

よし、掴みはバッチリだ!

さらに、並び立つ重臣たちの列から、一人の渋い初老の貴族が、静かに一歩前へと進み出た。

この国の国家財政を一手に握る冷徹な現実主義者――財務大臣だ。


「陛下、私からも一言。実を申し上げますと、彼らがゲリラコンサートを敢行したここ数ヶ月、王都の経済、および我が国の税収は明らかに好調な右肩上がりを記録しております。あれほど爆発的に人が集まれば周辺の商店が潤い、地方から持ち込まれる物資の回転率も跳ね上がる……。中央通りの一時的な麻痺こそ早急な課題ではありますが、もたらされる経済効果としては計り知れぬものがございます」


「む、むぅ……。そうなのか、財務卿?」


王宮のトップ層から次々と飛び出す、想定外の『ゲリラコンサート擁護論』に、さすがの国王陛下も眉をひそめて唸らざるを得ない。

音楽院の資金不足と復興という完璧な大義名分。

王妃殿下からの強力なプッシュ。

そして、数字を司る財務大臣による直々の太鼓判。

あらゆる条件が、僕たちに有利な方へと、その天秤を傾けていく——。


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