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カストラート 〜傾国の歌劇(オペラ)〜  作者: nhhtn
学院編

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激突する巨大権力


普通なら、ここで「大変申し訳ありませんでした」と平伏して、涙ながらに活動を自粛して終わる話だ。

しかし、今回はそうはいかなかった。

この絶対であるはずの『王命』に対し、まさかの強力すぎる味方たちがブチ切れたのである。


「ふざけるなッ! 我が音楽院の『正当な芸術活動』であり、かつ貧民救済の大義あるチャリティ公演を、王室の一存で差し止めるというのか!?」


真っ先に吠えたのは、ゲリラコンサートの莫大な取り分でウハウハだった守銭奴――もとい、我が音楽院の経営陣、主に学長だ。

一度掴んだ金の成る木を、彼は何が何でも手放す気はなかった。

さらに、このコンサートを事実上の共同主催していた『教会』側も黙ってはいなかった。


「これは神の歌声を、広く、迷える民へと届ける神聖なる儀式ですぞ!それを法の力で禁ずるとは、王室は神の御心をないがしろにし、信仰を捨てるおつもりか!」


教会の枢機卿たちが激怒し、聖書を片手に王宮へ向けて怒濤の猛抗議デモをスタート。


――おかしい。

元々はただの『学内の格差是正問題』から始まった、僕たちのささやかな護身のためのゲリラライブだったはずなのに。

気づけば事態は、【教会・音楽院(宗教パワー&既得権益)】VS【王室(国家インフラ&絶対王権)】という、この国の二大勢力による、国の根幹を揺るがすレベルの巨大な権力闘争へと発展してしまっていた。


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