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カストラート 〜傾国の歌劇(オペラ)〜  作者: nhhtn
学院編

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44/233

不協和音の破片


僕たちの執念に満ちた泥臭い捜査の結果、ついに、あの最悪な事件の輪郭ピースが一つに繋がり始めた。


【証拠一式】

学院内の一階トイレ:

ゴミ箱の奥底に不自然に押し込まれていた、火薬の焦げ臭い匂いがはっきりと残る頑丈な油紙の包みが複数。


事件現場(野外ステージの四隅):

飛び散った爆竹の破片に混ざるようにして落ちていた、真新しい金属片。

それは高級ヴァイオリンケースに使われる『特注の銀製蝶番』の破片。

さらに、煤に汚れた見覚えのある紋章入りの『弦楽器用の手入れクロス』。


王都の街中での聞き込み:

事件の直前――ステージで使用する楽器はすでに全て搬入を終えているはずの時間帯に、大きな楽器ケースらしき箱を妙に重そうに抱え、深くフードを被ってコソコソと動く『五人組の少年たち』の目撃証言。



「ヴァイオリンケースのパーツに、楽器用のクロス、か……。チッ、やっぱりな。本当に残念だけど……内部犯の可能性が絶望的なまでに濃厚だ」


ミハイルが込み上げる怒りを抑えきれない様子で、床をガンッと激しく蹴りつけた。

そう、あの日、地獄絵図と化したステージの上から僕が目撃した、楽器ケースを大切そうに抱えて闇に消えていった怪しい人影――。

あれは決して、パニックが見せた幻でも見間違いでもなかった。

僕たちと同じ学び舎に通い、同じ空気を吸っていた、音楽院の生徒たちの仕業だったのだ。


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