脳内会議:怒りの炎と事件の本質
脳内では『私』が、かつてないほどの激しい怒りにその魂を震わせていた。
『絶っ対に許さない……っ! 音楽を、未来ある子供たちの夢と命を、こんな理不尽な暴力で踏みにじるなんて……万死に値するわ……っ! カース、落ち込んでる暇はないわよ。これ以上の犠牲者を出すわけにはいかないわ!』
((ああ、分かってる。必ず僕たちの手で犯人を突き止めて、相応の罪を償わせる。……でも、それだけじゃダメなんだ))
以前改善させようとして、力及ばなかった、この事件の本質。
『ええ。実行犯を捕まえたとしても、根本にあるこの音楽院の「歪み」を直さなきゃ、いずれ第二、第三の爆破事件が起きるわ。今度こそあの守銭奴のクソ狸をぶん殴ってでも、経営方針を改めさせなきゃダメよ!』
そう、この凄惨な事件の引き金を引いたのは、犯人たちの歪んだ悪意だけじゃない。
カストラートクラスを『最高級の商品』として異常なまでに神格化し祭り上げ、その一方で楽器科の生徒たちをただの『都合のいい資金源』として搾取し続ける——。
この音楽院が誇る冷徹な経営システムそのものが、この最悪のヘイトを生み出し、怪物を育て上げたのだ。
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