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歪み
入学から、瞬く間に半年という月日が流れた。
ここ『サントマリオ・ピエタ・カプアナ音楽院』での怒涛の生活にもようやく慣れてきた頃、僕は、この歴史ある音楽院という巨大な組織が孕む『歪な構造』に、はっきりと気づき始めていた。
きっかけは、日々の授業や、食堂、中庭で見かける生徒たちの、明らかに一線を画した『雰囲気』の違いだった。
「……ねえ、カース。また楽器科の連中が僕たちを睨んでるよ……」
ある日の昼食時。
寮の同室であり、今や何でも話せる親友となったミハイルが、カストラート専用のスープに落とされた、隠し味の特注蜂蜜をスプーンで掻き混ぜながら、うんざりしたように、本日何度目かになる不満をポツリと呟いた。
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