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カストラート 〜傾国の歌劇(オペラ)〜  作者: nhhtn
学院編

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誓いのメロディ


王都のどこまでも高い青空に、新入生たちの入学を祝う華やかなファンファーレが鳴り響いた。

純白の大理石で造られた厳かな大ホール。そこで執り行われた、『サントマリオ・ピエタ・カプアナ音楽院』の入学式。

いま、数百人の新入生たちの視線が、一斉に壇上の僕へと注がれている。

そう――あの日、実技試験に突撃してシャンデリアを震わせた結果、僕は名実ともに『首席合格者』として、この大舞台で新入生総代の宣誓を行うことになってしまったのだ。


「――私たちは、神から授かりしこの声を、磨き上げた技術のすべてを、偉大なる音楽の神へと捧げ……」


堂々と、かつ辺境伯令息としての気品を湛えた僕のボーイ・ソプラノが、ホールの隅々まで美しく響き渡る。

壇上から客席を見下ろすと、あの日、実技試験会場の片隅で僕の歌声に圧倒された少年たちが、今度は、隠しきれない羨望と畏敬の眼差しで僕を見上げていた。

もはや「お貴族様の遊び場じゃねえぞ」なんて陰口を叩く者は、この場に一人としていない。


((よし……! 予定通り、まずは首席として完璧な先制パンチ(マウンティング)を決められたかな!))


脳内で『私』が「それ見たことか」と最高に満足げに鼻を鳴らすのを感じながら、僕は完璧な所作で優雅に一礼し、万雷の拍手の中を降壇した。


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