僕の反省と終わらない脳内会議
((……うーん、ジュリアス、めちゃくちゃ怒ってるなぁ。優秀で模範的な貴族であるあいつからしたら、僕が推薦枠を蹴ってまで目立つ真似をしたのが、どうしても許せなかったのかなぁ……。次期当主の立場としても、僕みたいな爆弾娘(男だけど)が厄介事を持ち込むのはお断りだよね。やっぱり、今回は流石にやりすぎちゃったかなあ……))
殊勝に反省する僕の脳内で、『私』がケラケラと腹を抱えて爆笑している。
『ちょっとカース、あのアホ面見た!?あいつ、「兄上は修道院送り」って確信してたのに、完全にプライドをズタボロにされて悔しさで顔が引き攣ってるわよ!最っ高!ザマァないわね!』
((こらこら、淑女がそんな品のない言い方をするものじゃないよ?ジュリアスはこれからこの家を背負うんだから、僕が勝手な行動をして怒るのも当然さ。……でもまぁ、これで僕の王都行きを邪魔するものは、名実ともに誰もいなくなったね))
僕の脳内という、絶対安全圏からジュリアスを煽り散らす『私』を嗜めていると、父上の忌々しげな声が執務室の静寂を破った。
「――ふん、まぁいい。結果として、我が家から音楽院の特待生を輩出したという事実は、宮廷への良い聞こえになる。お前のその身勝手な行動、今回は不問に処す」
父上は特待生の合格通知書をこれ以上ないほど大切そうに引き出しへと仕舞い込みながら、最後にもう一度僕を睨みつけてそう告げた。ツンデレか。
「ありがとうございます、父上。それではさっそく、入学の準備をしてまいります!」
こうして、実家のドロドロした陰謀を綺麗さっぱりスルーしたまま、僕は最高に晴れやかな気分で自室へと戻るのだった。
待ってろよ、王都!
僕たちの本当のステージ――歴史を塗り替える天使の伝説は、ここから始まるんだから!
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