戦慄と計算
僕はその巨漢の下卑た視線に、皮膚が粟立つような生々しい嫌悪感を覚えながらも、感情を一切表に出さず、冷徹に脳内で思考を巡らせていた。
((あの男、僕と瓜二つのジュリアスを抱くことで、僕自身を抱いているという最悪の幻想に耽っているのか……。それなら、かつて教皇を籠絡した時のように、より深く僕に忠誠を誓わせるための『肉体の手段』として、彼らを引きつけておくべきか……?))
僕の脳裏をよぎった危険な実利の計算。
その瞬間、脳内の『私』が、これまでにないほどの悲鳴のような大声を響かせた。
『ちょっと、カース!?冗談じゃないわ、正気になりなさいよ!あんな熊みたいな巨漢に、まだ未成熟なあなたの身体が抱かれたりしてみなさい、物理的に裂けて大出血を起こすわよ……!忠誠を誓わせる道具にするには、あまりにもリスクが高すぎるわ!』
((……ふっ。そうだね、その通りだ。『ミーナ』、冷静な指摘をありがとう))
『私』の必死な猛反対を受け、僕は即座に思考を切り替えた。
((利用価値よりも、僕自身が物理的に壊される危険の方が遥かに高い。……よし、万が一にも襲われる前に、ジュリアスへの復讐がすべて終わったら、あの男たちごと全員まとめて始末しておこう……))
所詮、彼らは教皇の汚い金で集めた、ただの使い捨ての駒に過ぎない。
用が済めば、まとめて消したところで誰も文句は言わない。
脳内で冷酷極まる『処分計画』を即座に付け加えながら、僕はぞわぞわと腕に浮き出た不快な鳥肌を隠すように、羽織っていた上質な外套を深く纏い直した。
「……第一段階は終了だ。お前たちは一旦下がれ」
血に飢えつつも、今はまだ忠実な猟犬たちを地下牢から追い出すと、僕は未だ床でピクリとも動かないジュリアスを見据え、次の凄惨な調べへと意識を向けるのだった。
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