汚された血脈
数十人もの飢えた獣たちに、輪姦され徹底的に蹂躙し尽くされた頃。
地下牢の冷たい石畳の上には、血と涙、そして悍ましい体液に塗れ、物言わぬ壊れた人形のようになったジュリアスが転がっていた。
僕はその哀れな姿を見下ろし、再びパチンと乾いた音で指を鳴らして制止をかけた。
「そこまでだ。戻れ」
「チッ……」
「まだいけそうですがね……」
男たちは不満げな荒い息を漏らしながらも、僕の絶対的な命令には逆らえず、這いつくばるジュリアスからじわじわと離れていく。
男としての尊厳を、そして偉大なるトラッド辺境伯としてのプライドを粉々に打ち砕かれたジュリアスは、完全に光を失った虚ろな目でただ床の一点を見つめていた。
静まり返った地下牢には、ヒュー、ヒューと細く絶望的な過呼吸の音だけが虚しく響く。
しかし、その凄惨な蹂躙の最中、僕はいくつかの『異常な狂気』を目撃していた。
男たちの中に数人、ジュリアスの肉体を貪りながら、そのジュリアスと瓜二つの顔を持つ僕に対して、異常な欲情を募らせていた者がいたのだ。
本物を汚す度胸はない代わりに、同じ顔をした弟に代償行為として発散する、歪んだ欲望。
特に、一人の巨漢の私兵は凄まじかった。
彼は完全に正気を失った獣の目で、犯されているジュリアスの顔を見つめながら、
「カース様……カース様……ッ!ああ、お美しい……!カース様……ッ!!」
と、ジュリアスではなく、部屋の隅でこの狂宴を鑑賞する僕の名前を狂ったように連呼していたのだ。
僕の名前を叫びながら、何度も、何度もジュリアスを激しく抱き、果てていた。
『……ちょっと、カース。あの男、完全に頭がイカれてるわ。ジュリアスをあなたに見立てて、脳内であなたをめちゃくちゃに犯してるのよ……。ゾッとするほどの狂気ね……』
脳内で『私』が、強い嫌悪感と不気味なものを見る怯えを孕んだ声を上げる。
((フッ……いいじゃないか。あいつが命より重く誇っていた『完璧な肉体』は、僕への歪んだ性欲を満たすためだけの、ただの身代わりの器にまで成り下がったんだからね))
僕はその巨漢の私兵を冷ややかに見据えた。
彼らの狂気すらも、ジュリアスをより深い絶望へと引きずり落とすための最高のスパイスに過ぎないのだ。
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