美しき顔の価値
薄暗く、じっとりとしたカビ臭さが充満する地下牢。
手足を強固な鉄鎖で縛られ、冷たく薄汚い石畳の床に跪かされたジュリアスを見下ろし、僕は冷徹に、これからの復讐という名の『旋律』を組み立てていた。
目の前でゼイゼイと荒い息を吐き、恐怖に身体を震わせている実の弟。
僕には、あいつに必ず実行したい、骨の髄まで絶望させる至高の拷問のアイデアがいくつもあった。
しかし、それらの多くには肉体の激しい『欠損』や『破壊』が伴う。
当代最高の闇医者ドクター・ピオが控えているとはいえ、一度切り刻んでしまえば、いくら治療したところで完全には元に戻せない。
ならば、手順を、その順番を絶対に間違えてはならないのだ。
((まずは……この五体満足で、僕と瓜二つの『綺麗な顔』があるうちにしかできないことから、始めさせてもらおうか))
心の中で冷たく呟くと、脳内の『私』が、すべてを理解したように低く、酷薄な声を響かせた。
『……そうね。あいつが一番誇りに思っていた、五体満足なトラッドの嫡男としての肉体と、あなたと同じ美しい顔。それらを、まずは徹底的に蹂躙して、そのプライドを内側から完全に粉砕する……。最初の拷問は、【陵辱刑】からね』
((ああ、その通りだ。男として完璧であるはずのあいつを、僕と同じ……いや、それ以上に汚された、ただの『玩具』にまで叩き落としてやる))
そろそろ開演といこう。
教皇の汚い金で雇い入れた、倫理も理性も持ち合わせていない裏社会の男たちが——飢えた獣が今か今かと獲物の肉体を貪るその瞬間を待っているのだから。
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