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カストラート 〜傾国の歌劇(オペラ)〜  作者: nhhtn
実家編

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華麗なる帰還


特待生としての『学費全額免除&最上級寄宿舎確約』――。

学長の直筆サインと、音楽院の金印がこれでもかと眩しく輝く、これ以上ない最高の結果が記された合格通知書。

それを懐の特等席へと深くしまい込み、僕は意気揚々と家族の待つトラッド辺境伯領へと帰還した。

早く、一刻も早く、この輝かしい戦果を報告したくて堪らない。

屋敷の前に馬車を着けさせるや否や、僕は荷物の整理もそこそこに、父上の執務室へと直行した。

コンコン、とドアを叩いて中に入ると、そこには偶然にも、父上、母上、そして弟のジュリアスの三人が揃っていた。

僕が現地でやらかした『実技試験凸』からの『特待生合格』という規格外の報せは、すでに早馬で届いているはず。

けれど、自らの目で公式な合格通知を確認するまでは、どうにも落ち着かなかったのだろう。

「早くそれを出しなさい」とでも言うように、部屋中に満ちる、肌がヒリつくほどの重いプレッシャー。

三人の視線が僕へと集中する。

僕はそんな空気などどこ吹く風で、満面の笑みを浮かべ、胸を張ってあの書面をデスクの上に差し出した。

そして、これ以上なく誇らしげに声を張り上げる。


「父上、母上、ジュリアス! ただいま戻りました! 『サントマリオ・ピエタ・カプアナ音楽院』の試験、宣言通り特待生として合格をいただきました!」


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