凍りついた歌声
父上の処刑が執行されてから、早いもので2ヶ月の月日が流れていた。
かつての激しい戦火が嘘のように収まりつつあるフラネル共和国で、僕は今、ミハイルの手引きにより、ポルネー子爵家の静かな屋敷の片隅に身を寄せている。
けれど、あの日、地下牢の冷たい鉄格子の向こうから父上によって投げつけられた言葉――『去勢された化け物』『貴様さえこの世に生まれなければ』という剥き出しの狂気的な憎悪は、僕の心の最も深い部分を、今もなお粉々に打ち砕き続けていた。
僕はあの日以来、一言も言葉を発することができないでいる。
ただベッドの上で横たわり、窓から差し込む光の塵や、何もない虚空を濁った瞳で見つめるだけの日々。
まるで魂を抜き取られた『生ける屍』のようになっていた。
『カース、お願いだから、何か一口だけでも食べて……。あの男の言葉なんて、ただの負け犬の遠吠え。醜い腹いせよ。あなたには私がいる。ミハイルだって、アイシャだってみんなあなたを愛してるわ。ねえ、大好きな音楽のこと、音楽院での楽しかった日々のこと、思い出して……!』
脳内で『私』が涙ながらに、何度も、何度も、張り裂けんばかりの声で僕の魂を揺さぶろうとしてくれる。
けれど、僕の身体は深海に沈む鉛のように重く、心は硬く冷たく凍りついたままで、彼女の優しい温もりにすら、どう応えればいいのか分からなくなっていた。
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