不意の来訪者
歴史的な大同盟の成立を祝し、アルゴス=カスティエラ連合国の王宮では、数日間にわたって眠らぬ豪華絢爛な祝宴が催された。
その宴のハイライトとして、僕がブリタニアの『霧の文化』からインスピレーションを得て即興で書き下ろした、哀愁漂う幻想的な新曲を披露した時のことだ。
そのあまりにも美しく切ない旋律は、情熱的で芸術をこよなく愛する連合国の人々の心を激しく揺さぶり、宮殿は割れんばかりの喝采と、感動の涙で埋め尽くされた。
『素晴らしいわ、カース!これでブリタニア(Britannia)とアルゴス=カスティエラ(Algos-Castillera)の二大海洋国家がガッチリと握手を交わしたわ。まさに歴史の転換点ね。さあ、あとはジュリアスとレオンへの反撃の準備を――』
脳内の『私』が勝利の余韻に浸りながら、今後の作戦を練り始めようとした、その時だった。
((うん、そうだね。……でも『ミーナ』、なんだかさっきから、城門の方がやけに騒がしいみたいだけど……?))
祝宴の心地よい余韻がまだ残る数日後、王宮に文字通りの激震が走った。
二大海洋国家の電撃的な同盟成立の報を聞きつけ、ある『絶対的な第三勢力』からの公式使節団が、事前の予告すら一切なしに、力技で港へ滑り込んできたというのだ。
突き動かされるように謁見の間へと向かう僕たち。
目の前に現れたのは金糸の刺繍が施された格式高い純白の法衣に身を包んだ——大陸南東に君臨する、神権政治の頂点にして砂漠の超大国『カイロネイア神王国(Chaironeia)』の外交官たちだった。
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