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【続編】命乞いから始まる魔族因縁記  作者: 月森 かれん
第1部 テナシテ捜索編

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4/5

4話 仲間と再会する

 道中特に困ったこともなくナキレに辿り着いた。

 

 立派な石造りの門をくぐると賑やかな光景が広がる。

ナキレもそこそこの発展都市なので、人通りが多い。


 「1回壊滅したとは思えないな……」


 ナキレは俺がまだ魔王の元に居る時に1度壊滅していた。

 すれ違う人々の笑顔を見ていると、そんな事があったのが嘘のように思える。

 感心しながら酒場に向かった。



 昼間だというのに室内は人で溢れかえっていて、様々な声が耳をつんざく。

 久しぶりの爆音に耳を軽く押さえながら受付の女性に用件を伝えて、記入用紙を貰った。

酒場では誰でも依頼ができて、掲載するだけならお金はかからない。


 「この3人を探しているんですけど」


 「あら、この方達ならちょうどあちらに」


 「え?」


 女性が指し示した方を振り向くと、隅のテーブルに見慣れた顔が3つ。


 「なんで!?」


 つい叫んでしまった俺に3人が顔を向けて、目を丸くした。


 「あ、ありがとうございました!」


 慌てて女性にお礼を言って3人のところへ向かうと、

フローが呆れ顔で声をかけてくる。


 「こっちのセリフよ。何しに来たの?」


 「フローさん、言い方……。

 お、お久しぶりですね、カルムさん」


 「てっきりパーティに入ってるかと思ってたのに……」


 そう言いながら空いている椅子に腰掛けた。

するとザルドが真っ先に口を開く。 


 「俺達も所属しようとは思ったんだが、なんか虫の知らせでな。

やめておいたほうがいいような気がしたんだ」


 ザルドの横でアリーシャとフローが頷く。


 「そうなのよ。だからフリーでパーティの補助に入って活動を続けてたの」


 「そ、それで、カルムさんはいったい何の用事で……」


 アリーシャが遠慮がちに尋ねてくる。

誤魔化しても詰められるので俺は正直に伝えることにした。


 「実は魔王が来て……力を貸してほしいって……」


 小声で言った瞬間、3人の目が点になる。

しばらく沈黙が続き、最初に口を開いたのはフローだった。


 「やっぱりあんた、前世魔族なんじゃないの?」


 「俺もだんだんそんな気がしてた……」


 「カルム!?そこは否定しようぜ!?」


ザルドにツッコまれても俺は弱々しく首を振ることしかできない。  


 「そうは言われてもさ。

気に入られるわ懐かれるわ頼られるわで、どう考えても普通じゃないだろ……」 

 

 「それは、カルムさんの人柄だと思います。

もちろんよい意味でですよ」


 「たぶん人柄ね。

それで話を戻すけど、あんたが来たってことはまたパーティ組むってことでいいの?」

 

 「うん。

魔王が戦力になるから脅してでも連れてこいって……」


 「脅してでも、ですか!?」


 「無茶苦茶だな!?」


 アリーシャとザルドが大声を出し、フローが眉をしかめる。


 「今度は何させる気?また町中に乗り込むとかだったら断るわよ」


 「いや、今回は人――いや、魔族探し。

魔王が一目置いてる魔族がまだ帰って来てなくて。

()()()()には居ないらしいんだ」


 「この大陸……?」


 3人が首を傾げる。

俺を含めて大陸という言葉に馴染みがないようだ。


 (俺も魔王から言われて認識したからな……) 


 フローは目を閉じると小さくため息を吐いた。

何か小言が飛んでくるのではないかと、俺はつい身構えてしまう。 

 

 「魔王が行けばいいじゃないの」


 「魔王は武闘大会の主催だから来れないって。

だから俺に……」


 「断れなかったのか?」


 「断れる雰囲気じゃなかったんだよ!

っていうか断ったら確実にボコられてた!」


 しかもあの時は魔王だけでなく隣にデュークさんまでいた。

もし断ろうとしたら魔王からはボコられて、デュークさんからは肩を組まれながら圧をかけられていただろう。

 想像しただけでも身震いがする。


 「よく分からないけど、あんたも大変ね……」 

 

 「皆はまた俺とパーティ組んでくれるのか?」


 おそるおそる尋ねると3人とも口元を緩めた。


 「当然じゃないの。あんたの状況、私たちはわかってるんだから」


 「そうですよ。断る理由がありません。

またパーティを組めるなんて嬉しいです!」 


 「このために俺達はフリーで活動していたのかもな。

ははっ、悪くねぇや」

 

 誰も拒否の欠片も見せなかった。

その言葉に胸が熱くなってくる。


 「皆……ありがとう……」


 「何辛気臭い顔してんのよ。

これからが大変なのに」


 「と、とりあえず何か食べませんか?

お腹が空いていては力が出ないでしょうし」


 アリーシャの言葉に皆が頷いた。

ザルドが待ってましたとばかりに胸の前で拳を握る。

 

 「よっしゃ!食うぞ〜!」


 「ほどほどにしときなさいよ。

あんたは大抵食べ過ぎで動けなくなるんだから」


 「はい……」


 フローにピシャリと言われてザルドは静かに拳を下ろした。

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