ドック&フォックス
「ねえ」
彼女が言う
「・・・あっ、はい」
俺が遅れて言う
「ごめんなさい。こんなの他人に頼む頼み事じゃないんだけど 私、今仕事を終えたばかりで疲れてるの」
俺とは真反対の仕事を働いてる存在・・そう自分で思った
「それで、お金を上げるから自販機で飲み物買ってきてくれない?
缶コーヒーでお願い。種類はなんだっていいわ」
そういいつつ、彼女は自販機を指差し、財布からお金を取り出した。
そのまま俺は指図されてるように自販機で缶コーヒーを買った。
なお、俺は彼女と親睦を深めたいため、缶コーヒーを二人分合わせて2本買った。
だけど・・俺はコーヒー嫌いなんだよな。
ただ単にカッコつけたいだけ、まるで中学生みたいに・・・
そこからは二人共会話がなく無言が続いた。 はずだったんだ
「あなた」
彼女が空気を切り崩すように話しかけた
「え?」
「あなた、見る限り、スーツ服も来てない」
「失礼ですが、お仕事は何を・・」
心にグサッと来る。
「え・・っと、俺は田舎からトーキョーに来て・・・仕事に受からなくて。」
「つまり、無職って事なのね?」
「え、ま、まあそういうことですね」
彼女の目が輝く、俺に体を傾ける。
もちろん俺は心が高鳴る。動悸が自分でもわかるぐらいに大きくなる。
「で、でしたら」
気付かなかった
「ここの・・・あれ、名刺どこに行ったっけ」
俺達は、後ろから
「あ、あったあっ・・」
来る
ガシッ
「・・・ッッ」
後ろから来た・・・ゴロツキ、バットを持っている。
最近ゴロツキは犬が増えてきてるが、こいつは・・猫のようだ。
「あっぶね・・・」
後ろから振りかぶってきたバット、それに気づかなければ彼女は打ちどころが悪ければ死んでたはずだ。
「・・・ッオラッ」
俺は腕に当たってたバットを振り払う。
手にはアザができてるはずだ、ただ痛くはない。
なぜなら・・・
そこに震えてる彼女がいるから----




