第五話
―Side ミナ―
「高校卒業して以来か…」
一年ぶりに私は故郷に帰って来た。
私は間道実菜、19歳だ。
それより感慨に浸るのはこの仕事が終わってからにしよう。
こっちに来たのはちょっとした用事があるからなのだが…
「不吉だな」
なにかよからぬ事が起こりそうな予感がする…
「ただいま・・・」
久々の我が家、一年前から何も変わっていない。
「おかえりなさい。ひさしぶりね~」
玄関で靴を脱ぎ上に上がると、母こと間道数菜が出迎えてくれた。
「母さん、ただいま」
「ただいま、じゃないわよ。一年も連絡してくれないで…」
「ごめんなさい…。それよりも父さん達に大事な話があるの」
「まさか、結婚っ。やだ実菜ったら~」
「ちがうわよっ」
声を張り上げ、全面的に否定する。こっちはそんな状況じゃないのに…
「ハイハイ。わかったから、居間に行きなさい…ハァ~」
「……」
露骨に残念そうな顔すなっ!
居間に行くと昔と変わらない笑顔でテレビを見ている、父である間道鉄生がいた。
「ただいま、父さん」
「おう、おかえり」
父さんは昔と変わらぬ笑顔でそう返事をしてくれた。
「連絡ぐらいしろよな~。母ちゃんすっごく心配してたんだぞ。」
「すいません」
それを言われるときついです…
「はい、お茶」
居間の座布団に座ると、母さんは人数分のお茶を持ってきてくれた。
「ありがと」
「ありがとよ」
私と父さんはお礼を言い、母さんは父さんの横に座った。
「大事な話が…「結婚なんてゆるさんぞっ!」…て、違うわっ!」
何で夫婦して同じボケをするのよ…
「「夫婦だから~」」
「・・・コホン、話を戻します。つい最近から愚の動きが確認されています」
「・・・・・・」
「確認されたのはハーフ一人ですが、各部隊より組まれた調査隊が全滅させられています。」
「ジェネラルの調査隊が全滅…システムが弱まっているのを見計らって愚界がとうとう動き出したか・・・」
「父さん達も気をつけてください・・・」
「わかった」
父さんはそう言うと自分の部屋へ行ってしまった。
「さて…夕飯の準備をしないと…」
母さんも台所へ行ってしまった。
「・・・・・・」
本当になにもおこらないでほしい・・・なにも・・・
―Side Out―
「今日の学校がおわった~」
学校が終わり空矢とゲーセンに行く途中、空矢はいつも以上にこえを上げてそう言った。
「ホントどうしたんだ。なんかいつも以上につかれました~って、雰囲気だしてんぞ」
「ん~まあいろいろだ…。それよりも活生、あの転校生には関わるなよ…」
空矢がいきなり光道さんの話題を出してきた。
「なんで…」
「いやな予感がするんだ…、なにかよからぬ事がおこりそうな…。」
「よからぬことって…」
「…いやなんでもない…」
空矢はそれ以降、その話題に触れようとはしなかった。
光道聖夢。
二限目以降、俺は授業の用意はノートと筆記用具以外に何もない光道に教科書を見せてやっていた。
かなり優秀で、俺なんかとちがい授業を超真面目に受けていた。
だがクラスでは終始無言で誰も近づこうとはしなかった。
なぜそんな彼女を空矢はなぜ危険視するのだろう…
「・・・まあ、こういう時はパア~と遊ぼうや」
「野郎二人で遊んでもな~」
「も~怒っちゃうぞ、ぷんぷん」
「キモイからやめろ」
そんな感じでゲーセンで遊び終わるまで、俺たちはずっとふざけあっていた。




