第三話
「朝から走るもではないな、空矢さんや。」
「あれぐらい余裕だろ」
「……」
こいつはいつもこうである。
なんで帰宅部なのにこんなにも体力があるんだ。
なにか、お前はいつも走ったりして健康に余念がない、
健康思考バカかなにか。
「おいど~したよ。はやく教室はいろうぜ。」
「…ちょっとまってくれ。スーハー。よし」
そして俺は息を整えると、スライド式の扉をあける。
「みんな、おは…」
ようと繋げようとしたとき、正面からものすごい衝撃を走る。
いや、正確にはそこまでであったが鳩尾にもろに受けてしまったからだ。
「ゴホッゴホッ…。誰だごらああああっ」
若干キレぎみで声を張り上げ顔を上げる。
こんな事をしたヤツは、俺が成敗して…
「す、すみません」
無理でした。
だって目の前の相手は昨日おふりになった花月さんだから・・・
「あっ」 「えっ」
二人して声が出る。
「あっ、え~…」
やばい。なんとかしゃべんないと…
「お、おは・・・「ご、ごめんなさ~い」・・・よ・・・う・・・」
彼女は顔を赤くして一目散にその場をから逃げる。
さっきの俺たち以上で、こっちは脱兎を追い抜かすチーターのような速さだ。
「ほほ~う」
俺の横で空矢は目を輝かせて、彼女の走っていった方向を見ている。
「ハァ…。ん、どーしたんだ」
「うむ。脈なしだった訳ではなかったようだな。でもなんで…」
「・・・・・・」
あまり深く関わるのはよそう…
「つかれた~」
俺は空矢をおいて教室に入り、そう言って自分の席に着く。
「おい、まだ朝だぞ」
的確なツッコミをありがとう。こんなヤツはこのクラスには一人しかいない。
「おはよ~さん、岩田」
岩田堅。
このクラスになって初めてできた友人で柔道部の次期主将と言われるほどの実力の持ち主だそうだ。
「で、間道よ。帰宅部のお前が朝から何をしたら、そこまで汗をかくんだ」
「こっちだっていろいろあるんだよ…」
そういろいろとな……
「うむ…気になるがあまり詮索しないでおこう」
「気にするなよ…。てか朝練は」
「今日は俺のいる班の校内清掃の日だ」
岩田が言うには、
柔道部員を三つに分けて一週間の月・水・金曜日に朝早くから校内清掃をやっているらしい。
岩田は金曜だそうだ。
学校がいつも清潔さを保っているの柔道部のおかげなんだと、言われたその日初めてしった。
なんともありがたやありがたや。
「そういえば、今日金曜だったんだっけ」
「…お前の考えていることがわからん」
「うっせー」
だからいろいろあるんだっていっただろ。
そうしていると予鈴が鳴り響いた。
「授業の準備しねーと」
俺は席を離れ、廊下にある自分のロッカーにある授業に必要な用意を取りにいく。
「おっと」
廊下に出ようとしたとき汗だくの花月さんとぶつかりそうになった。
「す、すまん…」
「いえ、こちらこそ…」
「「……」」
気まずい…ものすごく。
「あ、あの。さっきは言いそびれたんですけど…」
急に花月さんが…
「お、おはようございます」
そんな言葉を笑顔で語りだす。
(反則だろこれっ!)
こんな笑顔で言われたら、免疫やら経験の有無関係なしに男のこころはやられるだろう。
それぐらい可愛かった。




