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第十四話

あの日から数日が経った。

俺は部屋に引き篭もっている。

父ちゃん達の葬儀には行かなかった。

いや、行けなかった。

いくら昔に何かがあったと言っても、俺が関与している事には変わらない。

それに父ちゃんを殺したのは俺だ。

あの後姉ちゃんが駆け付け、父ちゃん達が死んだことを伝えると、


「そう・・・」


と言って俯き、涙を流しながら俺を連れてその場を後にした。

父ちゃん達の死因は強盗による暴行と通り魔による刺殺と言う事になった。

姉ちゃんがやったのだろう。

聖夢は無事だったようだ。あのお面女のことは分からなかったようだが・・・

俺の友達が家を訪ねてくれたようだが、居留守を使って追い返した。

いったい俺はどうなっていくのだろう・・・


「活生っ!」


破壊音と一緒に部屋の扉が開けられ、ものすごい形相をした姉ちゃんが入ってきた。

錠を壊すことは無いだろう・・・


「どういうつもりっ」

「・・・・・・」

「こんなとこでじっとしていて、何かあるのっ」

「・・・・・・・・・」


何も答えられない。

何をすればいいかも解らない。

何ができるのかも解らない。

何かできるのならなにかしたい。

でも誰かを傷つける。


「・・・わかんねーよ。だけど誰かを傷つけるのよりかはましだろう」

「ふざけないで・・・。あんたがそんなんじゃ・・・父さん達死んだ意味が無いじゃない・・・」


姉ちゃんはその綺麗な顔がグシャグシャになるくらいに涙を流している。


「姉ちゃんはどう思っているんだ。俺のことを・・・」


俺は姉ちゃんに問う。


「俺は父ちゃん達の子でも姉ちゃんの弟でも無い。血のつながりも無いし、俺は得体の知れない人達の子だ。そして父ちゃん達が死んだ理由の一つだ」

「・・・・・・」

「そんな俺の事をどう思っているんだ・・・」

「・・・弟よ」


姉ちゃんはそう答えた。


「活生は私の弟よ。血の繋がりは無くても、掛け替えの無いたった一人の私の弟・・・」

「なんで・・・なんだよ。俺は・・・」

「活生泣いてるよ・・・。そんな弟を放っておくほど、お姉ちゃん薄情じゃないよ」


姉ちゃんが俺の頬に触れる。

俺はいつの間にか涙を流していたようだ。


「活生――」


姉ちゃんが俺の背中に手を回して語りかけてくる。


「これからいろんな事があると思う。泣けないこともあると思う・・・。でもそんな時は私達で一緒に乗り越えて行きましょう。だから今は・・・」

「姉・・・ちゃん」


俺も姉ちゃんの背中に手を回す。

そして俺達は長い間二人で泣きあった。




「活生、私と来ない?」


お互いに泣き止んだ後で、姉ちゃんは俺に聞く。


「たしかにこのままでは誰かを傷つけるかもしれないわ。それなら、その力の使えるようになればいいんじゃない」

「できんのかな、俺に・・・」

「大丈夫よ。活生は私の弟なんだから」


姉ちゃんはそう言って俺に手を差し伸べる。

確かに、このままじゃ誰かを傷つけてしまう。

俺はもう誰かが目の前で傷つくのは嫌だ。

それにアイツの事も・・・

だから・・・



「ああ、宜しく頼む」



俺はその手を掴んだ。



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