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ただ純粋な、  作者: 横山裕奈
チェス編 第四章
75/262

73 2か月くらいでいいかな

 任務を遂行してから1か月。正式にスケープゴートが犯人になり、被疑者死亡で書類送検されたとニュースが流れた。

 じゃあ、あと2か月くらい過ごそうかな。すぐ帰ると、怪しまれるし。

「……大丈夫か? キャサリンナタリー

「大丈夫だよ、お兄ちゃん。なんでも、ないよ……」


 クラスはお葬式のような空気で包まれていた。未だに、だ。クラスの女王の死は、予想以上に痛いらしい。

 みんなの上に君臨していたわけじゃない。隣でにこにこと笑っていた、いい子だ。

 いい人ほど早死にするってね。ふふふ。そうだね、スケープゴートも可哀想に。

 ナタリーの落ち込み方は、それ本気だよね? なんで標的に情を移してるんだろう。そんなの、時間の無駄だよ?


「それじゃ、授業始めるぞ……」

 先生も身だしなみ整えてよ? すごいなぁ、人間1人死んだら、こんな影響出るんだ。

 まぁ、私も落ち込んだフリしないと。ああ寂しいよ、エヴァ! あなたが死んでしまうなんて! どうして?


 こんなときにピッタリな古典があったね。『人の死』の主人公ダークのセリフで。『死因は薔薇の下に埋まっている。掘り返したらダメだ、薔薇がダメになる』ってね。

 秘密アンダー・ザ・ローズは、掘り返さないでね。秘密は美しい薔薇の栄養。それを掘り返すなんて、面白くない。

 秘密あってこその、美しさもあるわけだし。それに、知らなきゃよかったってことも。


「アリス」

 リィが私を呼ぶ。分かりやすいほど落ち込んだ様子で返事をすると、エドリィは眉をひそめる。

「……なぁに? エド」

「つらそうだ。大丈夫か? 次の授業、休むか」

「――ううんっ、大丈夫! 大丈夫だよ……ありがと、エド」

 これで2か月。仕方ない、イアータ・クローバーの頭脳だけ残して、人格は一旦お休みしてもらおう。おやすみ、イア。


 エヴァ。私、あなたが死んだこと受け入れられないの。なんで朝、一緒にご飯食べてないだろうっていつも思っちゃって。

 また寝坊したのかな、ってエドに聞いたこともあるんだよ。学校、面白くない。エヴァ……。戻って来てよ!

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