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序幕(リオ視点)

 はぁ、もうカイったら!超恥ずかしいんだけど……。カイと二人きりになるために、なるべく自然に呼び出そうとしたのに……!

「どうしたの?顔、真っ赤だけど……」

 私の友達のユナが話しかけてきた。

「え!?えっと、その、まぁ、色々あって……」

「あ、もしかしてカイくんとなんかあったの?なになに?教えてよ〜。」

 ユナがいじるように言う。

「カイを部室に呼び出して二人きりになれないかなって。それで誘ったら……あぁ、もうこれ以上だめ。」

 うぅ、思い出すとまた恥ずかしくなる。

「へぇ、フラれたの?」

「へっ!?違う違う違う!」

「ふぅん。あ、もうすぐ授業だ。また後で聞かせてね!」

 そういってユナは席にもどってしまった。

「もう、ユナったらぁ。」

 その後の授業は、全く頭に入ってこなかった。

 

 終礼が終わり、部室に行くと、カイの姿はまだなかった。

「カイ、来るかなぁ?」

 すると、コンコンと音がして、隙間からカイの顔が覗いた。

「あ、リオ。もう来てたんだ。ところで、何を企んでるの?」

「な、何も企んでないって言ってるじゃん。」

 私はただこの台本の読み合わせをしたいだけ。ちなみに、この台本はある財閥のお嬢様が別派閥のスパイに狙われているのを、通りかかった職人が助け、そこから二人の関係は恋に発展していくっていう劇。これをカイとよみあわせができたらもう一週間はノリノリで生活できる。

「ねぇ、これの読みあわせをしたいんだけど……」

 カイが驚いた顔をして言った。

「これ、先輩たちの劇じゃん!なんで今?」

 え!? あ、そこは聞かないで、カイ!落ち着け私。平常心平常心。

「えっと、なんかこの劇難しそうじゃん。だから、うまくなるかな〜?って。」

 よし。なんとか乗り越えた。

「ふぅん。まぁいいや。やろっか。」

「やッタ……ゴホン。うん、やろっ。」

 よくやった私。このまま良い雰囲気になってくれれば……!

「お嬢様が私で、カイが……」

 その先は窓から聞こえた轟音でかき消された。

「なに!?」

 窓の外を見ると、空が紫色に染まり、街がシュレッダーにかけられているかのように立方体の粒にされていっていた。私は恐怖で動けなかった。カイの声が遠くから聞こえる。

「リオ、逃げよう!」

 逃げたい。でも足が動かない。カイに手を強く引っ張られているのがわかる。

 やっと足を動かせるようになった。私はただただ足を動かし、カイの引っ張る方向に進んだ。どうやって逃げたかなんて覚えていない。でも、他の人達の悲鳴や叫び声だけはみょうに耳に入り込んできた。

 いつの間にか、外に来ていたらしい。それでも私達はただただ走り続けた。あるところで、いきなり地面が消えた。と思ったのは、大きな穴があったからだ。そして、カイと私はその真っ黒な穴に吸い込まれていった。

はじめまして。あきひろです。序幕:日常、いかがだったでしょうか?僕は初めてこのサイトで物語を書いたので、読者の方々がどのように読んでいらっしゃるかが分からないのですが、楽しんでいただけていると光栄です。さぁ、カイとリオが良い雰囲気になりそうだったのを、突然の襲撃が打ち破り、カイとリオは大きな穴に落ちていってしまいました。これから二人はどうなるのか、そして残された仲間たちはどうなってしまうのか…。ぜひ次を楽しみにしていてください。ではまた次でお会いしましょう!

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