結成、ジェネアス!
ちょっとデュエマのデッキ組んでたり、テストしてたりして失踪してた。
色々あってまた失踪するかも。気長にお願いします。気楽なギャグなんで。
先輩が予約をしてくれていたおかげで、すんなりと中に入ることができた。
車と同じ配置で座り、各々好きなものを頼んで行く。
奢ってくれるらしいが、あまり高いものは頼みづらいので普通にハンバーグ定食を注文した。
ちなみに、静枷はピザ、來間先輩はスパゲッティ、柔院先輩はかつ丼を注文していた。
まだ誰も成人していないので、みんなジュースやラテをドリンクコーナーで注ぎ、席に付く。
「じゃあ、僭越ながら私から」
柔院先輩が立ち上がり、グラスを高く掲げた。
「入部してくれてありがとう&新生バンド結成を祝って、カンパーイ」
「カンパーイ!」
カンカンとグラスが軽快な音を鳴らした。
「じゃあ――改めて自己紹介でもしよっか。私が最初にするから、それを参考にしてね」
そう言って胸に手を置き、自己紹介を始めた。
「私は看護学校出身の二年生、柔院唯。一応副部長やってまーす。マッサージは得意だから、して欲しい時は遠慮なく言ってね。あとは――何か言ったほうがいいこととかあるかな?」
「軽音部に入った理由とか?」
「それだ! 私が軽音部に入った理由は――看護学校で学んだことで、目の前の人は癒せるようになったけど、手の届かないところで苦しんでいるいる人も沢山いるから、そういう人を音楽でいやせたらいいなって思って入りました。よろしくね!」
……何その高尚な理由。
「じゃあ次は俺だな。運転学校出身の二年で、この部活の部長をやっている來間車林だ。休日は大体ドライブしてるから、幾らでも足になるぞ。軽音部に入った理由は、車で自分の作った曲を流したいからだな。まあ、よろしく」
こっちもこっちで、なんか凄い理由だな。
この流れでやりにくいけど、静枷が俺からやれってって顔してるし、しょうがない。
「えっと――普通の学校から来ました、佐藤誠一です。何かの間違いでこの島に連れてこられた一般人です。丁寧に扱ってあげてください。この部活に入った理由は……死にそうになった時に、自分は軽音がやりたかったと気づいたからです。精一杯頑張るのでよろしくお願いします」
俺が言い終わると、みんなパチパチと手を叩いてくれた。
……こういう時、出身校が板につかないのは問題だよなぁ。今度、なにかカッコいい言い方がないか考えておこう。
そんなこんなで、最後の静枷の番になった。
「……窃盗学校から来ました、内盗静枷です。ちょっと手癖が悪いので、何か失くしたら私に聞いてみてください。もしかしたら持っているかもしれません。部に入った理由は……音ゲーが好きだったから」
「音ゲー? 何が好きなの?」
「プ□セカです」
「ん、私もやってる! フレンド登録しよう!」
「……はい!」
なんだかホッとしたような表情を見せてから、柔院先輩とフレンドコードを交換したようだ。
俺もやってみようかな……今度静枷に初心者講座をしてもらおう。
「というか、先輩……」
「どうした誠一、もったいぶって」
「バンド名とか、ないんですか?」
場に、バチバチっと電流が走った。
「そういえば、頂天学校軽音部としか言ってなかったな」
「そうだね。別に不便も無かったし」
「ダメでしょ! バンド名は必須ですよ、部活でも!」
「お、おう。じゃあみんなで考えるか」
若干引かれながらも、バンド名を考える流れになった。
気を利かせて柔院先輩が裏紙とペンを取り出し、アイディアを書き留めていく。
「って言っても、どうやって決めるんだ?」
「まあ、学校のバンドの名前で、引き継いでいくわけだから、学校にちなんだものがいいよね」
「頂天とか、天才とか? ……天才って英語で何ていうんでしたっけ」
「誠一さん……ジーニアスですよ」
「でもそれだと何か高慢な感じがするし……何か別の単語と複合したいね」
「発音が似てる……ジェネシスとか、どうでしょう」
「意味は起源、か……いいね! これとジーニアスを組み合わせて!」
「ジェネアス」
うん……いいんじゃないか?
なんか高校生が楽しそうに飛び上がってるイメージが湧いてくる、カッコイイ印象の名前になっている。
他の人もそう思ったのか、俺たちは目が合った。
「じゃあ、俺達は今日からジェネアスだ。来年に引き継ぐかは分からないが、今年はこれでいく」
「おお、すごい! 軽音部っぽい! じゃあみんな、飲み物持って!」
「おお! はいや!」
「分かりました」
それぞれ違う色の飲み物が詰まったグラスが四つ掲げられた。
「部長!」
「いいよ、こういう盛り上げるのはお前の役だ」
「やった!」
柔院先輩は、ヴ、ヴンとノドを鳴らしてから。
「結成、ジェネアス! みんなよろしくねー! カンパーイ!」
「「「カンパーイ!」」」
カンっと楽器のようなカラッとした音が鳴り、俺達はバンドメンバーになった。
「冷静にジェネシスって何?」
「さあ」
「お前が提案したんだろ!?」
「私たちが、新たな音楽の起源になるという意味です」
「何だそれ……けど、それもいいな」




