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第七章 捜索開始〜報告〜
加納が記録のコピーを抱えて戻ると、長谷が既に自席で待っていた。
「おい、長谷……例の“J”っての、見つけたぞ」
「……俺もだ。ネットの過去ログに、妙な書き込みが残ってた。十数年前の遺体消失事件と、完全に一致する」
ふたりは互いの資料を確認する。署内は始業前の静けさに包まれていたが、その中で、異様な“符号”が一致していく感覚に、言葉が詰まった。
加納が低く呟く。
「Jってのは、本当に“存在していない”奴だった……。
けど――それでも、まだ……どこかに、いる」
応接室。
加納と長谷は資料と端末を持ち、上席の前に立っていた。
「この“J”という存在が、今回の事件に関係している可能性があります。
過去の未解決事件、記録から消された存在、遺体消失、複数の一致点――」
だが、静かに応じたのは、上席の一言だけだった。
「……加納。お前、寝不足か?」
加納が口をつぐむと、続けて笑いが漏れた。
「都市伝説を真に受けてる暇があるなら、もっと現実を見ろ。
この署に幽霊捜査官はいらないんだよ」
報告は、一蹴された。
資料には目も通されず、都市伝説の一言で切り捨てられた。
長谷が静かにため息をついた。




