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第七章 捜査開始〜加納視点-署内・記録室〜
書庫にある古い記録室。蛍光灯のちらつきと紙の乾いた匂いが、眠気より先に神経を刺激する。加納は警察官になって初めて、この部屋に深く足を踏み入れた。
手にしていたファイルには、過去の猟奇的な事件の記録が詰まっていた。
ある一点、加納の目が止まる。
「被疑者氏名:不詳(通称“J”)
年齢推定:20代後半
身元:照合不能
指紋・DNA:一致者なし
罪状:殺人、死体損壊、他多数
拘置所内で心停止。死後、遺体安置所から遺体が消失。」
加納は眉をしかめる。記録にはまるで漫画のような文言が残されていた。
『冷却室扉、内側から力でこじ開けられた痕。扉下部に血痕と爪の破片。
遺体搬送時の映像はなく、当時の監視カメラは全て故障。』
『遺体発見不能により、司法解剖結果は無効と判断。事件は事実上の終結扱い。』
記録の下に、誰かの手書きでこう書かれていた。
““彼”は、まだ終わっていない。”
加納の背筋が冷たくなる。




