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ぐうとおなかが鳴った。と、遠くでお祈りの鐘が響く。
黙々と作業を続ける五人に、俺は伸びをしてから云う。「お昼ご飯にしませんか?なにか用意しますよ」
「やったあ。はら減ってたんです」
ルネくんが云い、サニエルくんが笑顔で帳簿を置いた。残りの三人も疲れた顔で頷く。
「じゃあ、休憩にしましょう。ご飯つくりますね」
俺は席を立って、厨房へ行く。五人は伸びをしたり、中庭へ出たりしていた。
厨房にはツァリアスさんが居て、オーブンをつかっていた。「マオさん、お疲れさまです」
「お疲れさまです。ツァリアスさん、なにつくってるんですか?」
インクに塗れた手を洗う。どれだけ気を遣っていても、気付くとインクで手が汚れているのだ。もとの世界のペンだったらここまでは汚れないのに。不便だな。
ツァリアスさんはオーブンの扉を開けて、中身をとりだした。香ばしくっておいしそうな匂いがする。「わー、おいしそうに焼けてますね、ろーすとびーふ」
「よかった、ちゃんとできてる」
ツァリアスさんはにこっとする。満腹の猫みたいな、満足そうな笑みだ。
「マオさんが料理できない時でも、なにか役に立てないかなと思って……」
「ツァリアスさん普段から凄く仕事してくれてるじゃないですか」
「そうですかね」
ツァリアスさんは風の魔法で、ローストビーフをうすく切っていく。それが凄く役に立ってるんですよツァリアスさん!俺には絶対できない芸当だもん。
折角ツァリアスさんがローストビーフをつくってくれたので、メインはそれにした。ふたりで楽しくソースをつくる。ベッツィさんが来て、お茶を淹れて運んでくれた。
副菜はきのこのアヒージョ。片手鍋にたっぷり植物油を注ぎ、皮をむいたにんにく・輪切りの赤唐辛子・大きめにカットしたきのこ類をいれて火にかける。きのこに火が通ったら、軽くお塩をふるだけ。
サラダは白菜・りんご・梨のみじん切りを、レモン塩と植物油で和えたものだ。お匙で食べられる。みじん切りも、ツァリアスさんが風魔法でやってくれたから、俺は凄く楽ができた。
発酵させたパンを焼くには時間がないので、チャパティにした。生地をこねるのは、ツァリアスさんとふたりでかわりばんこ。ツァリアスさんは能力値が高いだけでなく、こういう作業ののみこみも凄くはやい。俺がやってみせて、説明すると、大体一発でできるのだ。寧ろ、開拓者じゃなかったほうが、ツァリアスさんはしあわせだったんだろうな、と思った。




