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ワゴンにお鍋と人数分の食器、ラップサンドウィッチの包みとクッキーの包みを沢山乗せて、押していった。「おはよーございまーす。お仕事の前に、ご飯どうぞ」
にっこりして云うと、五人は立ち上がって会釈する。俺の後ろから、クッキーをぽいぽりしつつついてきたツィークくんが、手で示しながら云う。
「このかたが、無鉄砲で命知らず、無謀で向こう見ずのマオさんでーす。マオさん、こっちから、リアム、ジャヤ、ルネルア、レミアン、サニエル。レミアンは昨日会ってますよね-?」
「はい。よろしくお願いします、皆さん」
こきおろされたが、否定できないのでにこにこしておく。ツィークくんは消化不良でも起こしたみたいに口許を歪めた。
リアムくんルネルアくんは俺と同じくらいの身長で、ぎりぎり十代かな。リアムくんが金髪で赤い瞳、ルネルアくんがくらい金髪で金の瞳、どっちもあみおろし。
サニエルくんは一番背が高いけど、十代だろう。濃い灰色の髪は、この世界の男性にしては短くて、鎖骨の下くらいまで。麻紐に白い珠を連ねた飾りをつけている。
ジャヤさんは唯一の女性。俺より背が高くて、ほっそりしているけれど、腕の筋肉は服の上からでも解った。髪は紫と水色の斑でみぞおちくらいまでの長さ、ゆるくよつあみにしてある。
で、レミアンさん。190cmないくらいかな。乳白色の髪は耳の高さに捨てあみこみをつくって、金のピンがざくざく挿してあった。ダイアモンドと覚しい石のはまったネックレスとピアスもしている。
俺は笑顔で、ラップサンドウィッチの包みをテーブルへ並べた。「あったかいうちにどうぞ。スープもありますから」
「やった」
「運がいいや」
ルネルアくんとサニエルくんが席について、早速ラップサンドウィッチを手にとった。残り三人も苦笑で腰を下ろす。「ごめん、こいつらいつだってはらぺこなんだ」
リアムくんがウインク混じりにそういった。きざだ。俺は苦笑を返してスープをお皿へつぐ。
ツィークくんが鼻を鳴らす。「じゃ、俺は失礼します-。荷運び係だったんですよねえ」
「え?ツィークくんのもあるよ」
スープ皿をテーブルへ置いた。お匙を添える。
「俺の分?」
「うん。食べてってよ。いらない?」
ツィークくんは逡巡をみせた。俺はたたみかける。「おなかすいてないの?」
「すいてなくはないですけどお……」
「じゃあ食べて。はい、ツィークくんはここの席ね」
ツィークくんの手をひいて、座らせた。レミアンさんとジャヤさんが目を合わせ、くすっとした。ツィークくんはそれへ云う。「なんだよ、レミアン、ジャヤ」
「別に」
「ツィークがここの美人さんに弱いって、本当だったんだ」
ツィークくんは鼻に皺を寄せた。




