表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
840/6875

800

 

 ラッツァクの帳簿など、書類は、警邏隊が明日にでも届けてくれるそうだ。ツィークくんは俺をまだまだ怪しんでいるけれど、雪だるま式にふくれあがった借金を精査する、と云うのには賛成みたい。マオさんって変ですねとまた云われたけれど。

 あと、傭兵協会から、計算に強いひとを数人貸してくれるらしい。やった!こちとら計算は苦手なのだ。


 食事のお礼を云って帰る傭兵達へ、俺は声をかけた。「ツィークくん?」

「はい」

 ツィークくんが振り返る。

「マイファレット家はどうなるの?」

「ああ……すでに警邏隊が向かっています。実際にかどわかしに関わった者は捕まりますね。ディファーズだと、ひとりかどわかしても荒れ地送りの可能性があるらしいですけれど、裾野だと荒れ地送りは三人からです。ジーナさんのかどわかしにだけ関わったひとは、多分賠償金を払えばゆるされますよ」

 マイファレット嬢が関わったとされるかはビミョーだな。まだ子どもだし、酌量はしてもらえるのだろうけれど。

 あの感じで、家が人身売買で儲けてると知っていたとしたら、こわい。知らなかったと思いたいな。

 どちらにしてもマイファレット家は潰れるのだろう。ディファーズでは人攫いは重罪らしいし、神聖公がゆるすと思えないから、国外追放なんてことになったりするのかな。だとしたら、マイファレット嬢は裾野にとどまるしかなくなるのか。どうなるんだろう?帳簿を見る限り、マイファレット家は相当な数の取引に関わっていたみたいだから、賠償金は莫大になる(その上で、マイファレット卿は荒れ地に送られるのだろう)。お邸は維持できないだろう。マイファレット嬢、大丈夫なのかな。俺が心配したって仕方ないかあ。

 考えこんでしまった。ツィークくんが俺の顔を覗き込む。「マオさん?気分でも悪いんですかあ」

「ううん。マイファレット嬢、大丈夫かなあって」

「はあ?」

「まだ子どもだしさ。なんとか不幸なことにならないでほしいなって」

「……やっぱり変なひとですね、あなた」

 ツィークくんはそう云って背を向けた。「今度は罵りですよ」

 ??


 傭兵達が居なくなり、俺は厨房に這入った。グロッシェさんが食器を洗い、ツァリアスさんとサッディレくんがオーブンから灰を掻き出し、アーレンセさんとベッツィさんが余ったお菓子を包んでいて、リエナさんはからになった木箱を外へ運び出している。

 なんだか凄く安心した。

 手伝いますよ、とグロッシェさんの隣に並ぶ。邪魔なだけかもしれないのに、グロッシェさんは鼻先をふよふよさせて、ありがとう、といってくれた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
こちらも宜しくお願いします。 ループ、あの日の流星群
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ