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ある意味、この子が一番、こっちの世界のひとらしい。最後は神さまに委ねる、なのだもの。
世界一安全な場所、と、ダストくんが云っていた。ダストくんだけじゃない。いろんなひとがそう云った。御山のことを。賢くて強い先生達と、将来有望な学生さん達が居て、幾重にもまもられている、神聖で安全な場所。この世界で一番公平に物事を見ていて、一番安全。
そりゃ、そうかもしれない。いつだって大勢の武装した人間にまもられているし、荒れ地帰りであっても御山にとってやばそうな人間は、排除するらしいから。
少し時間が経って、サフェくんの足の腫れは、更に幾らかひいたらしい。もぞもぞと、くつをぬいだ。
俺は傷薬を渡し、彼はそれを、痛々しく腫れた足へ振りかける。さっき、転んだ為に顔や、掌にも傷をつくっていたのだが、俺がかけた傷薬で治っていたらしい。そちらは、今なにもない。動揺していて、覚えていないけれど、たしかに怪我をしているのを見ていたから、あれできいたんだろう。ずぼん越しに脚へかけても、顔や掌の傷も治るのだから、足にもきいている筈。
「あ……」
思わず、声を出してしまう。くつをぬげないくらいだから、酷い状態なのだろうと思ってはいたが、想像よりも痛そうだった。
爪は幾らか紫にかわり、足裏の皮が破けている。足の側面、といえばいいか、小指側の足の甲と足裏の境目辺りが、血塗れだった。まめができて、それが潰れたのだ。
タオルをとりだし、渡す。サフェくんはそれで、血やなにかを拭う。もう一度傷薬を振りかけると、見た目には随分、綺麗になった。彼はもう一度、タオルで足を拭う。
俺は、マグにお水を注いで、ふたりの手があいたら渡そうと、待ち構えた。うまく頭が働かないし、手がかすかに震えている。サフェくんの血を見て、それは別に、なにかに攻撃された為に流れたものではないけれど、気分が悪くなってしまった。自分の怪我なら我慢できるが、他人の怪我は……。
「裁定者が嘘を吐いていないか、たしかめなかったのかな」
ぼそっと、サフェくんがそう云った。
金髪くんが不愉快そうに眉間に皺を寄せる。こちらも、俺が渡した傷薬を一応、足やなにかに振りかけていたが、壜の中身はあまり減っていなかった。鎧や、着脱に時間のかかりそうなくつで、ぬぐつもりはないらしい。その上から振りかけたとしても、傷薬の効果はある。




