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お薬、沢山持っていてよかった。在庫はまだまだある。いざとなれば、俺は無視でいい。偸利で奪う。草木から、でも、その辺の魔物や動物から、でも、とにかく、奪えばいい。お薬は要らない。サフェくん、それに、この律儀な金髪くんにつかうのを優先する。
飽くまで、いざとなればの話だ。ルーレウさん達に追いつかれて、戦闘なんてことになったら、それくらいはする。草木が枯れるのは不自然だが、そんなの知るか。命が大事である。今だって、お薬あげるのはこのふたりが優先だ。俺はちょっとくらい疲れててもいい。
あ、ちょっと可哀相だけど、エクシザ辺りから奪うか。サフェくんも金髪くんも、それなら気付かない。すっごい、機嫌損ねそうだけどな、エクシザの。あー、本当なら怪我してそうなのにしてなかったら変、かな。まあ、それも選択肢のひとつってことで。エクシザが一番体力ありそうだから、エクシザだな、とるなら。魔力は、ミューくんから戴こうか。
苦笑いになる。俺、なんだか余裕があるみたいだ。命を狙われて、逃げているっていうのに、冗談を考えてる。
もしかしたらルーレウさん達が起きて、俺達を追ってるかもしれない。きっと、バルドさん達も、俺を殺す為に参加したのだろうに、なんだか暢気にばかみたいなことを考えている。
多分、そういう事情だ。彼らが傭兵協会からいきなりやってくる理由が、ほかにない。俺を排除する為の助っ人、俺を確実に殺す為のひと達、と考えれば、いきなり来たのも、行き先のわからない荷運びという違和感のある業務内容にさほどつっこんで疑問を呈さなかったのも、意味が通る。
ルーレウさんがふたりの参加を知らない様子だったのは気になるけど、あのひとは警護班のなかではどちらかというと奉公人寄り、俺達に友好的な人間だ。いざとなったら逃がすかもしれないと、御山の上層部が考えたのかもな。
確実に俺を亡き者にする為の布陣ってことだ。ルーレウさんが情に流されないように、ちゃんと任務を遂行できるように、バルドさん達が来た。
バルドさん達は友人だと、俺は思っている。そのひと達が来るのにも、意味があるんじゃないか。ルーレウさんは俺に友好的、バルドさん達は(こっちが一方的に思っているだけかもしれないが)俺の友人。そこに、俺に対して攻撃的、反発を持っている警護班ふたりを加えた。ルーレウさん達が、見張りあう構図をつくったのだ。




