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俺は頭を振る。サフェくんは洟をすすり、金髪くんは自分に云いきかせるみたいに、息苦しそうに結んだ。
「俺は自分が正しいと思うことをやる。荒れ地にやっても、主がゆるしてくだされば戻ってこられる筈だ。だから……だから、俺は、お前を荒れ地につれてく」
「ありがとう」
きょとんとされた。
ふたりとも、俺を見て、唖然としている。俺は微笑んで、頷いた。
サフェくんの判断は、俺にとってはありがたいことだ。ルーレウさん達と戦闘になるのは避けたい。サフェくんに怪我をさせたくもない。殺されるのもいやだ。だから、こうして逃げるほうがいい。
金髪くんの判断、いきなり殺すのではなく荒れ地へ送るのが当然だという考えは、とてもありがたい。
「俺に機会を与えてくれて、ありがとう。事情はわかった。君の云うとおりだと思う。それと、ごめん」
頭をさげる。サフェくんが焦ったように云った。「ま、まお?」
「……俺のことにまきこんでごめん。折角警護班になったのに、夢を潰したみたいだから、謝る。サフェくんもごめん。俺を心配して、味方してくれたんだよね」
「マオ、頭下げたりしないで」
サフェくんに肩を掴まれ、顔を上げた。金髪くんは、星明かりでもわかるくらい、顔色が悪かった。でも、ちょっと気がぬけたみたいに、かすかに笑う。「いい。俺は、間違いたくないだけだから。……なあ、もう少し歩くぞ。お前ら、歩けなくなったら云え。俺が負ぶうから」
歩く。
川岸に辿りついた。サフェくんが杖をつっこんで、水位をたしかめる。膝下くらいだったが、当然それくらいでも人間は足を掬われれば死ぬ。おまけに川幅はなかなかのものだ。そして俺とサフェくんには体力がない。
顔を見合わせる俺達に、金髪くんは自分のせなかを示した。それに頼るしかないことを情けなく思ったけれど、どうにもならないものはどうにもならない。俺達は彼に運んでもらうことにした。
金髪くんはまず、俺を背負って向こう岸へ運び、次にサフェくんを運んでくれた。俺達は少しも濡れていない。もしかしたら、夕方頃に見えた川かなと、ちょっと思った。
足を濡らした金髪くんにタオルとくつを渡すと、くつをぬいでずぼんの裾を拭いていた。サフェくんが熱魔法でお手伝いしている。濡れたくつは回収する。水に濡れた足跡なんて、残したくない。誰もなにも云わないけれど、多分意見は同じだった。少しでも痕跡を残したくない。
誤字報告ありがとうございます。助かります。どれだけ句読点ミスってんのわたし。
感想ありがとうございます。はげみになります。




