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だとしても、裁定者が云えば、罰するのが当然なのかもしれない。俺はそれは知らない。だが、こんなふうに工作をしてから排除するというのなら、多分法的には駄目なことなのだ、これは。だから、ごまかす為にお仕事だのなんだのと云って外につれだした。
彼の云うことは、それよりはずっとまともで、理性的に思えた。それに、こちらの世界の常識に照らし合わせれば、彼の意見のほうが正しい。
荒れ地に送って戻ってくれば、罪はない。それがこっちの常識だ。
人間が直接手を下す死刑、というものは、今はほぼないらしかった。過去の歴史の話でも、大体は荒れ地おくりで終わっている。刑死した、という話も、つまり荒れ地おくりになったという意味だったりする。刑死と荒れ地おくりが同義語ってこと。それくらい荒れ地に送るというのが当然のことになっている。
今のこちらの世界のひと達は、最後の部分で神さまに判断を委ねるのだ。なら、御山にとって有害で排除すべし、という結果になったとしても、荒れ地へやってしまうのが正しい。
そもそも何故、俺は突然俎上にのぼったのだろう。荒れ地から戻ってきた直後や、もっとさかのぼって、行方不明になった辺りならともかく、御山の先生達に「裁定者に質問させよう」と思わせるなにかは、今現在の俺にはないと思うのだが。
ああ。
もしかしたら、あれか。「よそ」から来た、という、あれが、誰かから先生に伝わったのか。
俺がいまいち頼りない頭を猛回転させている間にも、金髪くんは不愉快そうに顔を歪めていた。ぼそぼそと続ける。
「主は同族殺しをさせない為に、俺達に荒れ地をくださった。なんと慈悲深いことだろう。人間は愚かだから、間違うこともある。善意から間違うことも、悪意からあえて間違うことも。間違って荒れ地へ送られてしまった者は、主の助けで戻ってこられる。主は無謬だ」
目を伏せる。「少なくとも俺は、そう教わったと理解してる。だから、お前を荒れ地につれていく」
サフェくんがしゃくりあげた。でも、反対はしない。この辺りまで、ふたりで相談していたのかもしれない。あの情況でそこまで言葉を交わす余地があったかと云われたらないから、俺がぐうすか寝ている間、彼が見張りを担当する時間になってから、サフェくんを起こし、それを決めたのだろう。
俺を見て、サフェくんは震える声で云う。「ごめんマオ」




