↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6992/7022

6835


 多分サフェくんも、俺が度を失うことをおそれていたのだろう。喚くかどうかはともかく、おかしいよと云って、やっぱりルーレウさんに訊こうとする可能性はある。ルーレウさんは、警護班のなかではめずらしく、俺達に紳士的だった。俺は彼のことを信用している。サフェくんもそれをわかっている。そんな()()な話はない、とでも笑って、ルーレウさんを起こそうとするかもと、おそれたのだ。

 だから、あとであとでとひきのばし、ここまでつれてきた。一時間以上は歩いているから、1㎞もはなれていれば御の字か。気付かれていたら、もう捜索がはじまっている。どれくらい距離があるのか……。


 金髪くんはマグの中身を飲みほし、こちらへ放り投げた。俺はそれをキャッチして、収納する。残念ながら、洗いものをする気分ではなかった。さいわい、清潔なマグはまだ幾らもあるし、ひとつ洗っていないくらいで不便はない。あとでまとめてお湯でぐらぐら煮てしまえばいいや、と思って、罪悪感にはご退場願う。

 彼は口許を拭い、呻くみたいに、やっぱり小さく云う。

「誰かがお前のことを裁定者に質問させた。裁定者が、排除したほうがいいと云った」

「成程」

 苦笑いになった。足許を見る。へえ。裁定者ね。

 質問がどのような意図だったか、どのような質問だったかはわからない。今、御山(おんやま)には裁定者は居ないから、どこかの裁定者に訊かせたのは確実だ。どこの、どういう立場の、どんなひとだろう。誰が話をつけて、貴重な質問を消費させたのだろう。

 まあしかし、つくづく、裁定者に縁があるな。避けて通れないものかね。裁定者は、数が結構多いらしいから、無理なのか。

 いずれにせよ、俺が御山(おんやま)にとって不要、どころか、有害だと、その裁定者は云った。そういうことだ。でなきゃこんなことしない。

 排除に動く程なのだから、もっと具体的にここが悪いとかこういうことが起こるとか、裁定者が云ったのだ。不要なら、お前(くび)、ですむんだから、こんなふうに外につれだす意味がない。それくらいは俺だって、少し考えればわかる。

 御山(おんやま)にとって()()()悪い結果が出たのだ。俺が存在していることそれ自体が御山(おんやま)にとって悪い、というような。或いは、俺が将来的に、御山(おんやま)に害をなす、というような。俺がなんかする理由、ねえけど。御山(おんやま)って居心地いいとこだし、ご飯おいしいし。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
こちらも宜しくお願いします。 ループ、あの日の流星群
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。