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収納空間からマグをとりだした。サフェくんへ渡す。サフェくんはそれに、魔法で出したお水を注いで、警護班へ持っていく。大木のまわりには木がなくて、草地がひろがっていた。大木を中心に、ドーナツがたに空が見えている格好だ。
「ありがとう」
警護班ははっきりお礼を云って、マグをうけとった。お礼云うんだ、と、ちょっと驚いた。息を整えるのに必死だけれど、そんなことには気がつく。
サフェくんがタオルをとりだして、汗を拭いてあげている。警護班は空を仰ぐ。枝の隙間からでも、少しは空が見えるのだろう。
警護班はサフェくんへ向かって、ぶっきらぼうに云う。
「交替してから、まだ二時間は経ってない。もう少し稼ぎたいけど、お前ら、歩けるか」
「僕はまだ大丈夫。マオ、もう少し歩ける?」
俺は周囲の音に耳をそばだてながら、頷く。水の流れる音がしていた。川が近いみたいだ。
ローブで顔を拭う。タオルをとりだすのがよだきい。脚が重たい。
小さく、云った。
「それは大丈夫だけど、そろそろ、事情を聴かせてもらえないかな。どうして歩かなくちゃならないのかを」
ふたりは揃って、こちらを見る。
俺は、そちらへ近付いていく。大木の葉が揺れる音がしたが、小さい。動物の居る気配はない。魔物のなかにはあしおとを消すのも居るから、断言できないとはいえ、流石に居ないだろう。
彼らの傍で、立ち停まった。上を見てみると、案外、木の葉の隙間から空はしっかり見えていた。星がちかちか輝いていて、綺麗だ。
視線をさげ、サフェくんを見る。サフェくんはタオルをおろした。金髪の警護班を仰いでから、俺へ顔を向け、低声で云う。
「薪を組んでる時に、この子から聴いたの。御山はマオを……その……」
サフェくんの顔が歪んだ。喘いでいる。それ以上云いたくないのだろう。そういう顔だった。
金髪くんが助け船を出した。小さく、吐き捨てたのだ。
「お前を排除すると決めたそうだ」
それで、意味はわかった。俺は、御山の決定で、殺されそうになっている。
「そっか。それは、どうしてか、わかる?」
金髪くんは、俺が泣き喚いたり、怒ったりしないのに、驚いたらしかった。片眉を吊り上げ、俺を睨むようにする。口が動くけれど、声は出ない。
感情的な対応をされ、ルーレウさんに訊いてみる、とでも云われることをおそれ、とにかくテントからまずはなしたのだとわかった。その表情、反応で。




