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チュニックも厚手のものにかえたが、ローブはかえない。歩くとなると、暑そうだったからだ。そんなに歩けないけど、少しは歩かないと、あの警護班の背中にのるのが癪。馬車つかえないってなんだよ、まじで。
サフェくんも俺のお部屋できがえた。彼は、いかにも収納空間持ちらしく、最低限のきがえは持っていたのだが、厚手のずぼんは持っていなかった。それで、俺が持っているものからかした。その為にも、俺のお部屋できがえるのがてっとりばやかった。
俺は収納空間にめったやたら、あらゆるサイズの服を詰め込んでいるので、サフェくんサイズもすぐ見付かった。リッターくんが着られそうな外套とか、ユラちゃんに丁度いいだろうサンダルとか、いろいろあるのだ。
市場って雑然とものが置かれた状態ではかり売りとか、いろんなサイズのサンダルをセット売りをしていて、普通なら買わないようなものでも思わず買ってしまう。衣裳とか、くつとかって、幾らあっても困るものじゃない。一度、荒れ地を経験して、その気持ちは大きくなったので、機会があれば買うようにしている。いざという時の為に。いざ、なんて時は、来ないほうがいいのだが、備えをしない理由にはならない。
「サフェくん、これつかってみる?」
「ん?」
「杖なんだけど……よっと」
収納空間をベッドの上に開き、ぽとんと落とした。杖だ。なんの変哲もない、削りだしてニスをかけただけ、みたいなやつ。プレッツェルみたいな色合いをしている。1mくらいで、一番上がちょっと太く、握りやすくなっている。
サフェくんがきょとんとする。「あの……杖だね」
「うん」
「歩きやすそうだけど」
収納空間を閉じる。サフェくんは杖をとりあげ、戸惑い顔だ。俺はにやっとする。
「いろいろ持っておいたほうがいいよねって思ってて。いつなにがあるかわからないし、備えはしても損にならないでしょ」
「うん」
「お休みの日に買い込んだの。武器とか、お薬とか。それは、リッターくんやユラちゃんが行ってるお店で買ったんだ」
「ええっ!」
サフェくんは口許を覆い、手にした杖を見た。俺は胸を張る。「それ、魔法をつかう時の、魔力の消費をおさえてくれるんだって。少しだけどね」
「嘘、凄いじゃない」
「ほんのちょっとだよ」
でも、そのほんのちょっとが生死を分ける場合がある。それは俺もわかっているし、熱心に等級増加に魔物退治などしていて、まちの外ですごす時間が長いサフェくんも、わかっている。




