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俺達は顔を見合わせ、サフェくんが云った。
「かごごとかなあ?」
「かな。分類してあったら、ばらばらにするとあとで大変だよね」
「してあるのかわからないけど」
「触ってたしかめる……のは、ちょっと、あれだね」
サフェくんが苦笑いで頷く。
籐かごが幾つかあって、本のサイズはばらばら。しかもこっちの本は、背表紙にタイトルや著者名が書いてある場合と、そうでない場合とがある。
私家版だったり、内容的に当時ははっきりタイトルを記すのが憚られたりで、背表紙に綺麗な模様だけ描いてあるものが結構あるのだ。タイトルはあるけど著者名はない、もしくは偽名、とか。
開いて本文を読めばなんについての本かはわかるが、触っていいのかわからない。読むったって、全部読む訳にもいかないから、俺にはわからん理由で区別してあるのをぐちゃぐちゃにしてしまうという可能性もある。古い本だったら、皮脂だとか汗だとかで傷めてしまいそうだし。手袋は持ってるけど。
サフェくんがまた、やわらかい調子で、警護班へ訊いた。
「これ、持っていくのって、かごごとですか。それとも、本だけですか」
「……かごごとです」
短い返事に、俺達は籐かごを見る。敬語なんだ、と内心吃驚したが、荒れ地帰りに対する最低限の礼儀なんだろう。ディファーズ系かな?
サフェくんがこちらを向いた。俺も彼を見る。ちょっとした間。「収納、しておく?」
「……そうしよっか」
揃って警護班を見ると、彼はいやそうな顔のまま、頷いた。小さく、収納しておいて、みたいにいう。敬語と平口の間というか、もごもごしてたからよくわからんかったが、俺達がかごを収納しはじめても停めないので、いいのだろう。
重たいので、地面に収納空間を開けて、そこまで滑らすようにして収納した。俺は今んとこふたつ。サフェくんはひとつ。
「マオ、あのこと、ランスに訊けた?」
「あー……」
顔を向け、頭を振る。サフェくんは苦笑いになった。あらたに籐かごを掴んで、持ち上げながら、そっか、と云う。彼は俺みたいに、地面に収納空間を開くようなことはしていない。この辺は綺麗といえ、多少でも小石がはいったりしたらその分魔力をつかう。それをいやがっているのだろう。
あのこと、というのは、プロルについてだ。ランスさんに訊いたらなにかわかるかもしれないというのは、サフェくんが云いだした。彼女、騎馬武者だし、プロルにのるひとも居ないではないから、なにかわかるかも、と。




