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その傍には、さっきの警護班が居る。怒ったような顔で、腕組みしていた。腰には剣があり、警護班のものではない、自前らしい鎧を着ている。二十代前半くらいの男性だ。ふわふわした金髪を、ところどころあんで、垂らしていた。小さな水晶の飾りをあみこんでいる。随分おしゃれだが、あの表情なので、なんだか素直にかっこいいとは思えない。デフォルトの顔がわからん。
サフェくんの手をとる。なんとなく、不安だった。まだ。警護班はいかにも、お前らと同じ仕事なんて不快だ、って顔なので、こっちまで不快になってくる。今からお仕事一緒にやるんだぜ。表面くらいとりつくろおうって気持ちはないのかね。ぎすぎすした空気でお仕事して楽しいのか、あんた。
そう訪ねたい気持ちをおさえ、こそっと、サフェくんへ云った。
「サフェくん、なにを運ぶか聴いてる? 俺、班長に呼ばれて来たんだ。とにかく、荷運びだって話しか聴いてないんだけど」
「そうなの? 聴いてるよ、僕」サフェくんは頷く。「本を持っていくって。どこへ行くのかは知らないんだけど、そう云われた」
サフェくんはそう云って、傍らの警護班を仰ぐ。警護班はそれに気付いたように目をくれたが、なにも云わない。
どこへ行くのか、なんの為か。俺達と話したくないらしい。警護班では割によくある反応だから、俺は答えを期待するのを諦めた。サフェくんもそのようで、俺を見る。俺達は目を合わせ、肩をすくめた。
俺とサフェくん、というのがまた、事態をややこしくしていた。あの、突然辞めたクオジェくんのことで、俺もサフェくんも、警邏隊からは基本的にきらわれている。なのでこういう反応は慣れっこなのだけれど、この感じで荷運びはつらい。
「あの……遠出するようだったから、しっかりしたくつにしてきたんだ」
「ああ、俺もそうしたほうがいいかな」
「多分」
収納空間からブーツを出し、サンダルの紐を解きながら、四辺を見る。班長は居なかった。籐かごが幾らかあって、たしかにそのなかには、本がある。外に出るのだとしたら、班長まで来やしないだろう。ってことは、このひとと、また誰か別の警護班とで、俺とサフェくんを警護するのかな。
ブーツに足をつっこんで、ずぼんの裾も一緒にいれこんでしまい、紐をぎゅっとひっぱって結ぶ。両足そうしてから、サンダルを回収した。立ち上がって、ちょっと考える。サフェくんのマントは日差しを避ける為か、それとも、なにか効果のあるものだろうか。




