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所謂雑用で、警護班なんかはこういうお仕事を軽く見る向きもあるのだが、先生がたには感謝される。ああ、警護班でも特殊なひと達ね。奉公人のなかでは警護班が一番幅をきかせてないと気がすまないみたいなひと達。
「ご飯、もらっていってもいい?」
「大丈夫だと思いますよ。今、ルクトくんが沢山つくってくれてますから」
「やった」
ディロさんは喜び勇んで、寮舎へ這入っていった。いれちがいでワウラさんが出てくる。「マオ、呼ばれてる。片付けはあたしがやっとくよ」
「ありがとう」
とりあえず、もうつかいようのない汚れたマグなどはすべて回収した。テーブルとかは、ワウラさんに任せても大丈夫。……彼女、顔がひろいので、後輩の警護班にちゃっかり手伝わせたりできる。俺が居ると近付いてこないこともあるので、丁度いい。
ミューくんがにこっとする。
「マオさん、それじゃあ俺達はこれで、失礼します」
「うん……あれ、試験のこと、わざわざ報せに来てくれたの?」
ミューくんは当然みたいに頷いて、それから二の門を示した。「あと、俺の家族がそろそろ来るんです」
「あ……親御さん?」
「はい。父が。あと、親族からふたりくらい来るそうです。下山の祝いでしょう。ありがたくうけとりますよ」
そう云うが、語尾が吃驚するくらいつめたかった。俺はなんとも云えず、小さく唸る。ミューくんはまた、にこっとして、リッターくんを示し、殊更に明るい声を出す。
「こいつも、家族が会いに来るそうで、ついでだからって背負ってもらいました。戻る時にも負ぶってもらう約束です。持つべきものは、体力のある友達ですね」
リッターくんが、うっすら嬉しそうに頷く。友達、と明言されて、嬉しかったらしい。俺は微笑もうとする。
「そっか。お話、楽しんで」
「はい」
ミューくんはしかし、楽しそうな目はしていない。ジーナちゃんとの結婚について、親御さんから念押しされるのだろうか。
なんだかいやだなと思ったが、俺がなにか云えたことでもない。マイファレット嬢には協力したいけれど、ミューくんの家族や親族とまともに話せる立場でもなかった(ピアスもしてないし!)。
なので、ぎこちなくふたりにお辞儀して、寮舎へ向かう。なんだかいやな感じだな、と思いながら。ほんと、くさくさする。以前、ユラちゃんも云っていたが、家畜じゃないんだぞ。うまく育成して品評会に出していい繁殖相手を見付ける、みたいなの、違和感ないのか?




