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俺みたいになんでも収納できる訳でもなし、そりゃ防犯面が気になる。ディロさんはそれも加味して、当初は腹を立てたものの、今はもう納得している。
で、地価が安いってことは、つまりあまり、人気のない場所なのだ。荒れ地へ向かう旅人が中継地点にしているけれど、そこに一年中住んでいるひとはそんなに居ない。観光地もなく、神話に出てきた訳でもなく、名産品らしいものもなく、名物料理がある訳でもない。鉱山とかそういうのもない。
もう少し大きくて、警邏隊が多く居るドラクのほうが、実際住むのには人気なのだって。荒れ地への距離はちょっとしか違わないが、安全面は桁違いだとか。つまり、地価は跳ね上がる。
安全をとってドラクで手堅く商売するか、少々危険でも荒れ地にもっと近くていい武具を持ち込まれやすいまちをとるか、だ。荒れ地から戻ったひと達だって、荷物が多かったらさっさと処分したいかもしれないし、宿代や馬車代を確保する為に、足許を見られても我慢するかもしれない。
住んでいるひとが少ない村には、警邏隊の詰所もないことがある。ダストくんの村には現に、俺が初めて行った時にはなかった筈だ。
伝糸で連絡がとれてしまうからだろうか。近所の村に駐在しているひとが居れば、盗みがあったとかの時に連絡して、すぐ来てもらえる。魔物の襲撃にあった時には、それでは間に合わない場合があるのだが、普段からどこのまちや村にも大量に配備できるほど、警邏隊の人数は多くない。傭兵のなかでも特に優秀で、かつ素行のいいひと達を集めているから、大量には居ないのだ。あの村には、宿もないのでは? あの村へ行くと、毎回ダストくん家に泊まっているような。
俺の耳に「まち」と聴こえる程度の規模であれば、詰所はある。が、配備される人数が違う。話題になっているまちは、レントとは比べられないくらい、少しの警邏隊しか居なかったのだ。ディロさん曰く、レントのまわりの巡回に出ている警邏隊の、一班と少し分くらいでは、だそう。
荒れ地が近いと、警邏隊詰所があったとしても配備人数は減る。それはもう、仕方のないことだそうだ。ダストくんだってそんなこと云ってた。警邏隊にとって得がない。
荒れ地の近くで暮らしている以上、自衛するしかない。自分達が強くなるか、傭兵を村の用心棒として雇うか。こっちのひと達の感覚としては、それが正しいらしい。もやもやするが、俺が口出しすることではない。ディロさんだって、最終的には納得したのだ。




