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そう、そういう部分、あるんだよな。こっちの世界の魔法も、職業加護も、特殊能力も。よくわからなくても役に立つから活用してるっていうのは聴く。多分、不可領域だって、はっきり仕組みわかってないんじゃないか? だって、あれらについて仕組みやなにかを聴かされたことがない。おそらく、なにかの特殊能力でつくられるものか、天然のなにかなのでは。
わからないなりに理屈をつけようとして、根拠はないのになにかの神さまの加護だって云い出すこともある。反対に、呪われた力だとか、悪いものだってレッテルを貼ることも。前者は封印、後者は魔力の魔法。悪しき魂とかは事情が違うから別。今まで、悪しき魂で悪いことをしたひとが多すぎた。レッテルを貼られても、ある意味では仕方ない(むかつくけど)。
魔力の魔法については多くのひとがつかえるものだし、きらう人間が居るのがわからん。過剰反応するひとは自分の魔法一覧から削除することさえあるそうだが、そこまできらうほどの根拠なんてない。それとも、誰でも知っていることで、俺に話すのも躊躇するような呪われた逸話でもあるのか? ばからしい。
かちゃん、と、かすかな音をたてて、ディロさんは乾いたお皿を重ねた。
「しばらくあとに、どちらも戦いで命を落としたって聴いたんだよね」
「戦ったってことですか? そのふたりが」
「ううん」
頭を振り、乾いたお皿をすべて重ねてしまって、調理台へ持っていく。一枚ずつ等間隔に置いて、すぐに戻ってきた。
調理台では早速、後輩くんがスープ皿を充たしている。アロさんがしかめ面で、あの子一回食べたでしょう、とぶつぶつ云っている。夕飯を二回食べに来た警護班が居るようだ。まあ、毎度のこととも云える。ご飯食べて、ちょっと鍛錬して、またおなかがすいて、っていう。食器を二回分つかう輩ね。こっちのてまひまなど考えていない。
サフェくんがすすいだお皿をざるへ置く。ディロさんがそれに手をかざし、乾かしはじめる。
「そのまちで還元過多が起こったの。荒れ地に近い訳ではないけれど、レントやドラクみたいじゃないところだったから、警邏隊だけじゃ手がまわらなかったんだろうね」
「レントや御山で還元過多が起こっても、警邏隊以外も戦ってますけど」
俺の発言に、ディロさんはちょっと笑った。「それはそうだけど、その程度の働きじゃなかったんだって。なんていうかな……うん。半端なまちだったんだよね。大きくもなく、小さくもなく」
誤字報告ありがとうございます。助かります。
感想ありがとうございます。マオの体力ないのは御山のひと達の共通認識




