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びくつく俺と違い、サフェくんは非常に落ち着いているようだった。俺がどぎまぎしているうちに、苦笑いみたいな微笑みみたいな表情で続ける。「それで凄い魔法をつかえたら、狙われるよ。マオじゃあ逃げられない。でしょ」
「……そうですね」
今度こそ本当に、心底から納得したようだ。で、俺も納得した。サフェくんの庇いかたは素晴らしいと気付いた。
俺みたいに体力ねえやつが特大の魔法つかえたら、そりゃまっさきに狙われる。さくっと倒されてお仕舞である。体力があれば走りまわって逃げるなり、攻撃されても応戦するなりできるが、俺は無理だ。山道の上り下りもまともにできないというのはジャーラムくんも知っているので、違和感を持たないでくれた。
魔力はあまりあるけれど体力がない。だから盾につかえる魔物を沢山駆使しているんだよ、移動の役にも立つよ、というのは、とっても説得力がある。
さっきも、おとりにして逃げるっていう運用があるって話してたし、だったら盾にすることくらいあるだろう。
そもそも自分が戦うよりも魔物に戦わせるほうが強いからなんだろうな。トゥレトゥススみたいなのが壁になってくれたら心強い。動物が怪我するのは可哀相だけど、恢復魔法もあるし、あっという間に怪我が治る傷薬もある。俺は自分の強さよくわからんが、怪我するのを我慢すればそこそこ。怪我するのなんてだいっきらいってだけ。
俺は体力がないが、収納空間のことはジャーラムくんだって知っている。大量のものを持ち運んでいるのも。魔物を駆使して、その子達に戦わせ、自分は支援にまわる。そういう戦闘スタイルだと判断された。まあほぼそうだけどな。ひとめがなかったら自分でも戦う。身をまもる為なら。
ホートリットを「駆使」してるのって、こっちの普通の感覚だとやばいことなのだな。実感した。そもそもどうやって捕まえたんだ? ってなってるんだ。今更わかった。
だからこそ、サフェくんのあの文言の説得力が増す。わざわざ駆使魔法を選んでいるってことに、聴いたほうは勝手に、あーこのひとは魔法一覧に駆使魔法がなかっただけで、特殊能力や職業加護に駆使魔法を強化するなにかがあるのね、って思ってくれる。だからあえて駆使魔法だ、と。
俺の体力なら、魔法をつかわずに完全に支援にまわったほうが安全だもの。あえて駆使魔法をつかうのならばそれは、駆使魔法が強化されるなにかがあるってこと。




