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「マオは、最近駆使魔法を覚えたんでしょ? 買ったんだよね」
返答に窮した俺にかわり、サフェくんが云った。にこにこして俺を見、ジャーラムくんへ目を戻す。
「マオの体力がないの、知ってるでしょ、ジャーラム」
「はい」
即答された。ああ、はい、そっすよ。ジャーラムくんに担いでもらったこともあるし、そら知ってる。ちょっと山道歩いただけで息切れで動けなくなりますとも。自慢じゃないけど。自慢じゃないけどってほんとの本気でつかうことあるのか。
サフェくんは微笑みで続ける。
「マオは自分では戦えないからね。でも、魔力は多い。魔法を活用しない手はないじゃない? それで、駆使魔法を買ったんだよね。魔物を駆使しておけば、移動も随分楽だし」
よほど、納得できる説明だったのだろう。ジャーラムくんは深く頷いた。俺の体力のなさに納得されたのだと思ったらあれなのだけれど、納得してくれるんなら助かるから、うーむ。
ジャーラムくんはでも、なにかに気付いたみたいに、ぼそっと云った。「……自分が、つかうんじゃないんですね。魔法を」
ぐっと、詰まる。
ユラちゃんなど、魔法系の職業のひと・それを目指しているひとは、魔力を如何に高めるかを考えている。魔法塾へ行ったり、等級稼ぎに魔物を狩りまくったり。それに、魔力の恢復にいいというものを食べたり、魔力薬をがぶ服みすることだって普通だ。
吐こうがぶっ倒れようがどれだけつらかろうが、御山にはいろうと努力するのだ。御山にはいれなくても、はいるつもりがなくても、魔力なんて高いほうがいい。傭兵など、時折仲間達で集まり、一緒に強い魔物を狩りに行くこともあるらしい。体力もあるのなら、そこまで必死にはならないが、どちらにせよ魔力はあったほうがいい。
魔力があれば、大きな魔法をつかえる。傭兵でお金を稼いで、手にはいる一番大きな魔法を買えば、それを元手にまた稼げる。
傭兵をしていなくても魔力を高めようと努力することはある。魔力を高くしておいて、いざという時(還元過多とか)に備える。魔法屋へ行って、魔法を買って。
収納空間のあれやこれやの為に非常に魔力が高いと思われている俺が、奉公人をしていて蓄えもあり、大きな魔法を手にいれられるだろうにそうしないのは、ジャーラムくんに疑問を抱かせたらしい。
またしても俺が答える前に、サフェくんがくすくす笑った。
「だって、マオの体力だもん」




