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云う。
「じゃあ、賠償金を払う結果になったとしてもいいって判断したのかな、その傭兵協会は」
あ、と、サフェくんとジャーラムくんが、揃って口を開けた。云った俺も、云ったあとでその可能性が高いなと思いいたり、苦笑いになる。
すでにその時、決まりとして、駆使魔法の上書きは禁じられていた。さっき、サフェくん、そう云ってたよな。ていうか、だからこそ、変なことをした警邏隊が結局罰せられたって話として、サフェくんが知っているのだ。
それをすれば、罪になることは、傭兵協会だから当然わかっている。更に、駆使魔法をつかっている相手が傭兵や、旅暮らしのひとなら、証明する書類を持っている可能性は高い。
サフェくんの言葉は真実だろう。ジャーラムくんが否定しなかった。だから、証明書みたいなものを持ってるのは当然、少なくとも可能性はかなり高い。それをおして上書きしたのだから、最初から自分達の正当性を争うつもりはなかったのだ。あとで賠償金を支払うことになっても、その段階ではそれが正しいと、その警邏隊のなかでは評価された。
ってことは、今回もそうか。もしあとから賠償金を払うとしても、今はこれが最適だと判断しての行動、ということ。今のレントの傭兵協会が、そう判断した、ということ。
そこまで考えてから、俺はちょっと、声を低めた。
「違うかも」
「え、どうして?」
「ほら、さっき、サフェくんが話してくれたみたいなことだって、思ってたのかもしれない。攻撃されて、防衛してるだけ。自分達の安全を確保する為の行動だって、そう思ったんなら、駆使魔法をかけても変じゃないでしょ?」
「あ……そうか……」
それは、だから、今の傭兵協会もそうかもしれないのだ。なにか危険があって、それを回避する為に上書きをした。だからそもそも、悪いこととは思っていない。なにかと天秤にかけて、悪いことだけれど最善の行動は上書きだ、となったのではなく、上書きするのは当然、と思った。
駆使魔法は、魔物に云うことをきかせるものだ。操る、と表現するひとは、結構居る。従わせる、とか。その魔物にとってそこまで負担ではないことなら、云うことをきく。
迷子の魔物のように見せかけて、傭兵協会へ送り込み、なかで暴れさせる。もしかしたら、そんなこともできてしまうのかもしれない。距離がはなれたら効力が弱まるのかもしれないけど、駆使しているひとがどこに居るかわからなければ安心なんてできない訳で。




