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サフェくんは頷く。俺も小さく、頷いた。被害者の意向で、裁判(みたいなもんだと思う。証明するとかどうとか、そういう文言を聴くに)の資料が一般公開されないって、なんかいいなと思ったからだ。
警邏隊とか、その地域の公的機関のひとなら、理由があれば参照できるのだろう。じゃなきゃ意味ない。法的にそれがいいかどうかわからんけど、俺の心情としてはいいなと思った。事件によっては、ひとに知られたくない内容も、含まれる。内密にしたいって場合、情報公開されないなら訴えるってこともあるんじゃないか。情報公開しないラインがどこなのかはわからんけど、訴えるハードルはかなりさがる。
サフェくんが云った。
「もしかしたら、証明になるような書類をつくってもらっていたのかもしれないね。証人に。もしくは、生き証人をつれてきて、話してもらったってことも考えられる」
「そんなの、してるんだ、証人」
「うん」
サフェくんはこっくり頷く。ジャーラムくんが、また、ちょっと不審げに眉を、かすかに寄せる。俺を見ている。俺また、変なこと云ったのかもしれない。とりつくろいようがないので、平気な顔をしておく。
「僕は駆使魔法、ほとんどつかわないから、わからないけれど、魔物と旅をしているようなひとはそれがあたりまえみたい。傭兵だと普通じゃないのかなあ。井になら証人は居るから、お金はかかるけどついでにそこに預けておくひとも居るようだし。自分は複製を持って」サフェくんは考えるみたいに宙を見て云い、こちらを向いた。「その書類をつくるのにかかったお金なのかも。傭兵協会に提出するのに複製をつくるとしたら、その分お金はかかるでしょう? 誰しもが井に原本を預けている訳じゃないから。生き証人を呼ぶとしてもそう。どこからか、原本をとりよせたのかもしれないけれど、ちょっと危険だよね。なくなってしまったら証明ができなくなる。だから、複製を用意したんだと思う。提出するとしても、原本を紛失されたら証明の手立てがなくなるから、いやだろうし」
あー、その手段もあったか。証人って、どこでも役に立ってるなあ。嘘吐けないひと達だもんね。そりゃ、重宝されるか。
俺はまた、裁定者までひっぱりだしたのかと思った。公的機関に所属していない裁定者って居るから。そういうひとにお金積んで、どうにかしたのかなって。裁定者に聴くのって、どれだけお金かかるんだろう。貝貨数枚でどうにかなるとは思えんが。




