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「今回のは、じゃあ、どういう理由なんだろうね」

「さあ」

 サフェくんは肩をすくめ、ちょっと眉を寄せた。「そんな話、めったにきかないよ」

「めったにってことは、あるにはあるんだ?」

 サフェくんではなく、ジャーラムくんが頷いた。有名な話なのか、彼が駆使魔法についての特殊能力を有しているから知っているか、どちらかだろう。サフェくんが説明してくれる。

「数十年前に同じようなことをした、えっと……どこだかの警邏隊が、結局悪かったってことになって、かなりの賠償金を払っているけれど。あれって幾らだったっけ」

「賠償金」

「うん。ごめん、はっきりした金額は忘れちゃった。あ、勿論、魔物は返した上でね。そういう結果になってる事件があったんだ」

「証明、できたの? そのひとが確実に、駆使魔法をもともとかけていたって」

「できたらしいよ。くわしいことは、僕が読んだ資料には載っていなかったけれど。でも、お金がかかったみたいで、それも傭兵協会が支払うって結果だった。そちらは銀貨何枚かだけれど。必要経費だったって」

 ふむ。

「それって、ええと……難しくないのかな。とられてしまったら終わりというか。証明する手立てがなかったら、駆使魔法を上書きされて、奪われちゃうよね、完璧に。お金でどうにかなるものでもないと思うんだけど」

「そうだね。だからこそ、悪質だってことで、罰がとても重いんだと思う。傭兵協会のやったことでも、よくなかったって、きちんと罰したのも、それでだよ。けじめをつけないと、被害者が泣き寝入りするのを認めることになってしまう」

 あ、今、俺の云いかたが悪かった。お金で賠償できるようなことではないのではないか、と云ったと思われたのだ。そうではなくて、お金を払ったからって証明できるものではないのでは、と云いたかったのだが。


 云い直そうとしたが、それよりも前にサフェくんが云った。

「その件に関しては、記録があったのか、なにか、証明になるようなものを魔物に持たせていたか、証言してくれるひとが沢山居たか、どれかじゃないかな。ずっと一緒に暮らしていたとかなら、ご近所さんが覚えているし」

「ああ」

 それはそうだ。一緒に暮らしていれば、見かけているだろうし、まさか魔物を駆使しておいて、家のなかに閉じ込めておくだけってことはあるまい。もしそんなことをしているのなら、それはそれで、お世話係のひとが見ていそう。なんかこう、お金持ちっぽいし。


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こちらも宜しくお願いします。 ループ、あの日の流星群
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